MOAIの設定の書き方|ミッション・トーン・禁止ワードの例文つき
- MOAIの「設定」には、ミッション・トーン&マナー・禁止ワード・運用ルールの4項目がある。ここに書いた内容が、AIへの指示に毎回引き継がれる(毎回の依頼文に前提を書き直さなくてよくなる)
- 書き方の原則は「判断に使える具体さ」。「良い記事を書く」ではなく「誰に・何を・どこまで言ってよいか」を書く
- 引き継ぎの範囲は版で異なる。ローカル版のAI実行はミッションも読み込む。ブラウザ版の「キューをまとめてコピー」は、トーン・禁止ワード・運用ルールが付く(本記事執筆時点のコードに基づく)
| あなたの状況 | 次の一手 |
|---|---|
| これから設定を書く | この記事の「例文」をコピーして、自分用に書き換える |
| まだMOAIを開いていない | ブラウザ版を開く(登録不要)/ローカル版の導入手順 |
| AIに任せてよい範囲を決めたい | 任せてはいけない業務の線引き |
MOAIを開いて最初に迷うのが、設定画面の4つの入力欄です。「ミッションには何を書くのか」「禁止ワードは何を入れるのか」。初期値のままだと、AIの出力は毎回ばらつきます。この記事では、4項目の書き方を、例文つきで説明します。
画面の項目名と、設定がAIにどう渡るかは、MOAIのソースコード(docs/app.js・cli.js・docs/seed.js)で確認した内容に沿っています。例文は、特定の実在の事業や人物を想定したものではなく、書き方を示すための架空のサンプルです。実在の運営者の実績や体験談として読まないでください。
設定が果たす役割:毎回の「前提」を1か所に
AIに依頼するとき、毎回ブランドの方針やトーン、避けたい表現を書き添えるのは手間がかかり、書き忘れた回に出力がぶれます。MOAIの設定画面は、この前提を1か所に書いておき、依頼のたびに自動で付ける仕組みです。
初期状態で入っている値は、次のようなものです。
- ミッション:(何のためにメディアを運用するのかを書いてください、という案内文)
- トーン:ですます調・具体的な数字と事例を必ず含める・煽らない
- 禁止ワード:絶対に稼げる/誰でも簡単に/確実に
- 運用ルール:使っていない商品を「実際に使った」と書かない、架空の著者プロフィールや資格を作らない、引用元・参照URLを必ず記録する、他社記事の翻訳・要約ではなく独自の観点で再構成する
初期値の運用ルールには、広告表記や体験談に関する注意が入っています。これは削除せず、自分の運用に合わせて追加する形をおすすめします。
どう渡るか:ブラウザ版とローカル版の違い
| 場面 | AIに渡る内容 |
|---|---|
| ブラウザ版:「キューをまとめてコピー」 | トーン、禁止ワード、運用ルール、各指示(担当・対象チャネル付き) |
ローカル版:Claude Codeによる実行(node cli.js context で前提を読み込む) | ミッション、トーン、禁止ワード、運用ルール、チャネル、KPI |
つまり、ブラウザ版でAIに貼り付ける場合、ミッションの欄は自動では付きません。ミッションの内容を依頼に反映させたいときは、トーンや運用ルールに要点を1行入れておくか、貼り付けるときに自分で書き足します。コードは更新される可能性があるため、気になる場合はGitHubのリポジトリで最新の実装を確認してください。
書き方1:ミッション(何のために運用するか)
ミッションには、「誰の、どんな困りごとを、どう解決するメディアか」を書きます。会社理念のような抽象的な文章ではなく、記事や投稿の方向を決める判断材料になる書き方が効果的です。
弱い例と強い例
| 例 | 問題点・良い点 | |
|---|---|---|
| 弱い | 役に立つ情報を発信して、多くの人に喜ばれるメディアにする | 誰に何を、が無い。AIが方向を決められない |
| 強い | 一人で小さな事業を運営している人が、週3時間の作業でSNSとブログを続けられるよう、手順と判断基準を具体的に伝える | 対象・困りごと・提供するものが分かる |
ミッションは長くする必要はありません。2〜3文で、次の3点が入っていれば十分です。
- 読者は誰か(職業・状況・知識レベル)
- 読者の困りごとは何か
- このメディアは何を提供するか(手順、比較、判断基準など)
書き方2:トーン&マナー
トーンには、文体と表現の癖を書きます。初期値の「ですます調・具体的な数字と事例を必ず含める・煽らない」は、そのまま使える良い出発点です。ここに、自分のメディアに合わせた条件を足します。
- 文体:ですます調/である調。1文の長さの目安(例:1文は60字程度まで)
- 人称:「私」を使うか、「編集部」とするか。実際に体験していないことを一人称で書かない
- 専門用語:初出で言い換えを添える
- 感情表現:断定や煽りを避ける(「必ず」「絶対」を使わない)
例文:
ですます調。1文は60字程度まで。専門用語は初出で言い換えを添える。断定や煽りは避け、数字には出典を付ける。主語は「編集部」とし、体験していないことを一人称で書かない。
トーンの欄は1行の入力欄なので、長くなりすぎないようにします。細かい条件は、運用ルールの欄に移します。
書き方3:禁止ワード
禁止ワードは、AIの出力に含まれてはいけない表現を、カンマ区切りで並べる欄です。初期値は「絶対に稼げる, 誰でも簡単に, 確実に」です。ここに、自分の運用で避けたい表現を足します。
入れておくとよい種類
- 効果の断定:絶対/必ず/100%/確実に/誰でも
- 根拠のない最上級:業界No.1/最安/日本一(根拠と出典があるものは別途扱う)
- 不安をあおる表現:今すぐ始めないと損/放置すると危険
- 扱う分野の規制に触れる表現:医療・金融・不動産など、分野ごとの法令・ガイドラインで言ってはいけない言い回し(具体の内容は所管官庁や業界団体の公式情報で確認する)
例文:
絶対, 必ず, 確実に, 誰でも簡単に, 100%, 業界No.1, 今すぐ始めないと損
注意点は、禁止ワードの欄が万能ではないことです。AIの出力にその言葉が含まれていないか、承認の段階で人が確認することが前提です。言い換え(「間違いなく」「疑いなく」など)をすり抜ける可能性があるため、承認時の読み込みを省略しないでください。承認の基準づくりはSNS投稿の承認フローを無料で作る方法が参考になります。
書き方4:運用ルール
運用ルールは、1行に1つ、AIに守らせたい決まりを書く欄です。最も重要な欄で、内容は「やってはいけないこと」と「必ずやること」に分けると整理できます。
やってはいけないこと(例)
- 使っていない商品やサービスを「実際に使った」と書かない
- 架空の人物、顧客の声、資格、実績を作らない
- 確認できていない数字や固有名詞を書かない
- 他社の記事の翻訳・要約で済ませない
必ずやること(例)
- 数字・制度・価格には、出典のURLと確認日を付ける
- 広告・提携の関係があるリンクには、その旨を明記する
- 不確かな点は、断定せずに「公式サイトで要確認」と書く
- 公開前に人が全文を読む前提で、確認が必要な箇所を一覧にして末尾に付ける
初期値のルールは、実体験の捏造や架空の著者プロフィールを禁じるものです。こうしたルールを、AIに毎回読ませることで、承認のときに見落としやすい種類の問題を減らせます。ただし、ルールが書いてあっても、AIが守りきれない場合はあります。最終的な確認は人が行います。何を人に残すかはAIエージェントに任せてはいけないマーケティング業務で詳しく書いています。
設定の例:まとめて見る
以上を組み合わせた、架空の事業を想定した設定例です。数字や固有名詞は意図的に入れていません。自分の運用に合わせて書き換えてください。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| ミッション | 一人で小さな事業を運営している人が、週3時間の作業でブログとSNSを続けられるよう、手順と判断基準を具体的に伝える。 |
| トーン | ですます調。1文は60字程度まで。専門用語は初出で言い換えを添える。断定や煽りは避ける。 |
| 禁止ワード | 絶対, 必ず, 確実に, 誰でも簡単に, 100%, 業界No.1 |
| 運用ルール | (1行ずつ)使っていないものを「使った」と書かない/架空の人物・実績を作らない/数字には出典URLと確認日を付ける/広告の関係があるリンクには明記する/不確かな点は「公式サイトで要確認」と書く |
設定を育てる:月1回の見直し
設定は、一度書いて終わりではありません。承認キューで差し戻しをするたびに、同じ種類の指摘が繰り返されていないかを見て、ルールに追加します。
- 差し戻しの理由を、1か月分ざっと見返す
- 同じ理由が2回以上あれば、運用ルールに1行足す
- AIの出力に出てきて気になった言い回しを、禁止ワードに足す
- ルールが増えすぎて矛盾していないかを確認し、古いものを削る
運用ループ全体での位置づけは、AIマーケティングの運用ループを無料で回す手順で説明しています。
よくある書き間違いと直し方
| 書き間違い | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| ミッションが「いい記事を書く」のような一般論 | AIが方向を決められず、無難で似たような出力になる | 読者・困りごと・提供するものの3点を入れる |
| 運用ルールが長すぎて10項目を超える | 項目同士が矛盾したり、重要なルールが埋もれる | 最も事故につながる5〜7項目に絞る |
| 禁止ワードに、必要な語まで入れてしまう | 自然な文章が書けず、不自然な言い換えが増える | 断定表現と、規制に触れる語に絞る |
| トーンに「親しみやすく、かつ専門的に」など相反する指示 | 出力のたびに寄り方が変わる | 文体・文の長さ・人称など、判定できる条件で書く |
| 機密や個人情報を設定に書く | 依頼のたびに、使うAIサービスへ渡る | 設定には方針だけを書き、機密は入れない |
ルールは「守れたかどうかを人が確認できる形」で書くのがコツです。「読者に寄り添う」は確認が難しいのに対し、「専門用語は初出で言い換えを添える」は確認できます。承認のときに照らし合わせられる書き方にしておくと、差し戻しの理由も明確になります。
設定を書く前の下準備:3つの問い
白紙の欄を前にして手が止まる場合は、次の3つの問いに、短くメモで答えてから書き始めると進みます。
- このメディアの読者に、実際に会ったら最初に何と声をかけるか(トーンのヒントになる)
- 過去に、公開してから後悔した(または、公開前に気づいて止めた)表現は何か(禁止ワードと運用ルールの種になる)
- AIに絶対に任せたくない判断は何か(運用ルールの「必ず人が確認する」の項目になる)
答えの一部は、そのまま設定欄の文章になります。書いた後で、承認キューに最初の生成物が戻ってきたら、設定のどこが効いていて、どこが効いていないかを見比べてみてください。足りない部分が、次に書き足す1行です。
よくある質問
Q. 設定を書かないとどうなりますか
初期値(トーン・禁止ワード・運用ルール)がそのまま使われます。ミッションは案内文のままなので、AIは方向を判断できず、出力が一般的な内容になりやすくなります。
Q. 設定を変えたら、過去の生成物にも反映されますか
反映されません。設定は、これから積む依頼に付くものです。過去の生成物は、必要なら差し戻しや再依頼で作り直します。
Q. 設定の内容は外部に送られますか
MOAI自体はデータを外部に送りません。ただし、ブラウザ版でコピーした依頼文をAIに貼り付けたり、ローカル版でClaude Codeを実行したりすると、設定の内容は使用するAIサービスに渡ります。機密情報は設定に書かない運用にしてください。
Q. 複数のメディアで設定を使い分けられますか
設定はMOAI全体で1セットです。メディアごとの違いは、チャネルのメモや、個別の指示に書いて補います。ローカル版なら、フォルダを分けて別々にMOAIを動かす方法もあります。
Q. 書いた設定をバックアップできますか
設定画面の「データを書き出す(JSON)」で、設定を含む全データを保存できます。ブラウザ版は特に、定期的な書き出しをおすすめします。
まず自分の設定を書いてみる
設定は、MOAIを開いてすぐに書けます。ブラウザ版なら登録も要りません。
AIを自動実行したい場合は、導入手順を参照してください。設定の仕組みはソースコードでも確認できます。GitHubリポジトリで公開していますので、役に立ったらスターを付けてもらえると開発の励みになります。無料で足りるか迷っている段階の人は、判断基準4つの記事から読んでください。