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マネーフォワード クラウド会社設立のデメリット・注意点|非対応のケースと電子定款費用の条件

公開日:
マネーフォワード会社設立デメリット電子定款合同会社

結論: 利用料は0円だが「全部お任せ」ではない。対応する会社形態が限られる点と、電子定款作成費5,000円が無料になる条件の2つが、契約前に確認すべき最大の注意点

マネーフォワード クラウド会社設立は、画面の質問に答えるだけで定款・登記書類を自動作成できる利用料0円のサービスです。ただし「デメリット・注意点」として公式サイト自身が明記している内容を整理すると、次の2点が実務上の分かれ目になります。

  1. 対応する会社形態が株式会社・合同会社のみで、合資会社・合名会社・NPO法人・一般社団法人・取締役会設置会社・海外法人・未成年者が役員になる設立には対応していない
  2. 電子定款作成費(税込5,000円)が無料になるのは、マネーフォワード クラウドの有料プラン(ひとり法人・スモールビジネス・ビジネスのいずれか)に登録した場合のみで、他社の会計ソフトを使う予定なら5,000円がかかる

「利用料0円」という言葉だけで判断すると、この2点で想定外の費用や、そもそも使えないケースに当たることがあります。この記事では、マネーフォワード クラウド会社設立の公式サイトと公式のメリット・デメリット解説ページ、法人向け料金ページの表記(2026年9月確認)をもとに、注意点を整理します。サービス全体の特徴は「マネーフォワード クラウド会社設立を徹底解説」にまとめています。

判断表: 注意点と、影響を受ける人

注意点公式の説明影響を受けやすい人
対応する会社形態が限定的株式会社・合同会社のみ対応。合資・合名・NPO・一般社団法人・取締役会設置会社・海外法人は非対応一般社団法人やNPO法人を作りたい人、複数の取締役会を置きたい人
未成年者が役員になれない未成年者が役員の場合は非対応と明記学生起業などで未成年の共同創業者がいる人
登記申請は自分で行う書類作成は自動だが、法務局への申請(窓口・郵送・オンライン)は自分で行う。代行は有料プラン法務局に行く時間がない人、平日に動けない人
電子定款作成費が条件つき無料MFクラウドの有料プラン契約で無料、それ以外は税込5,000円会計ソフトを他社(freeeなど)にする予定の人
標準的でない設立に非対応株主が複数・現物出資・変則的な定款は対応しきれない資金調達を予定していて株主構成が複雑な人
設立後の有料誘導が前提無料の理由は、設立後にMFクラウドの会計・給与へ誘導するビジネスモデルにあると公式が説明設立後すぐに他社の会計ソフトへ乗り換える予定の人

判断のポイントは、**「自分が作ろうとしている会社の形態・体制が、対応範囲に収まっているか」**です。標準的な株式会社・合同会社を1人または少人数で作るなら大きな支障はありませんが、それ以外のケースでは司法書士への依頼を検討したほうが確実です。

注意点1: 対応していない会社形態・ケース

公式のメリット・デメリット解説ページには、非対応のケースが具体的に列挙されています(2026年9月確認)。

分類非対応の例
会社形態合資会社、合名会社、NPO法人、一般社団法人
機関設計取締役会を設置する株式会社
所在地・国籍海外法人
役員の年齢未成年者が役員になる場合
出資の形態現物出資(金銭以外の財産による出資)
株主構成株主が複数いる、変則的な定款が必要なケース

これらに当てはまる場合、無料の範囲では設立を進められないか、進められても標準からの調整が必要になります。該当する場合は、司法書士に依頼するか、有料の登記代行プランを利用することになります。特に「株主が複数」は、共同創業や外部からの出資を予定している場合に該当しやすいため、資金調達の計画がある人は早い段階で確認しておくべき項目です。

注意点2: 電子定款作成費5,000円が無料になる条件

紙の定款には印紙税法により4万円の収入印紙が必要ですが、電子定款(PDFに電子署名したもの)は印紙税の対象外です。マネーフォワード クラウド会社設立では、この電子定款の作成を代行する費用が税込5,000円とされていますが、公式サイトには次の無料条件が明記されています。

プラン年払い月額(税抜)月払い月額(税抜)利用人数
ひとり法人プラン2,480円3,980円経営者1名
スモールビジネスプラン4,480円5,980円3名以下
ビジネスプラン6,480円7,980円4名以上

これらいずれかの有料プランに登録することが、電子定款作成費0円の条件です。各プランには1か月の無料期間があります。会計ソフトを他社(freeeなど)にする予定がある場合、電子定款作成費5,000円を払うか、いったんMFクラウドの最安プランに登録して設立後すぐ解約するか、という判断になります。後者を選ぶ場合、無料期間内の解約で本当に費用が発生しないか、契約条件を事前に確認してください。

「丸投げできない」の具体的な範囲

公式サイトでは「フォームに沿って入力するだけで必要書類が揃う」とされていますが、これは書類作成までの範囲です。次の作業は利用者自身が行う必要があります。

作業自分で行う内容
定款認証(株式会社のみ)公証役場への出頭、またはオンライン認証の手続き
登記申請法務局の窓口・郵送・オンライン申請システムのいずれかで申請
資本金の払込発起人名義の口座への振込と、通帳のコピーなどの用意
印鑑の準備実印・銀行印・角印の作成、印鑑証明書の取得
設立後の届出税務署・都道府県・年金事務所への提出(書類は自動作成されるが、提出行為は自分で行う)

法務局への申請を代行してほしい場合は、有料の「登記代行プラン」が用意されています。公式サイトには具体的な金額の明記が見当たらないため、必要な場合は見積もりを確認してください。平日に法務局へ行く時間が取れない、オンライン申請の準備(電子証明書やソフトの用意)が負担、という人は、登記代行プランか司法書士への依頼を検討することになります。

設立費用の総額で見る「無料」の実際の効果

公式サイトの試算(2026年9月確認)では、株式会社・合同会社それぞれの設立費用が次のように比較されています。

株式会社

区分クラウド会社設立自分で設立(紙定款)専門家に依頼
定款作成手数料・印紙代0.5万円4万円0円
定款認証1.7万円〜(資本金等で最大5.2万円)1.7万円〜1.7万円〜
登録免許税15万円〜15万円〜15万円〜
設立手数料(専門家報酬)0円0円8万円
合計17.2万円20.7万円24.7万円

合同会社

区分クラウド会社設立自分で設立(紙定款)専門家に依頼
定款作成手数料・印紙代0.5万円4万円0円
登録免許税6万円〜6万円〜6万円〜
設立手数料(専門家報酬)0円0円8万円
合計6.5万円10万円14万円

「クラウド会社設立」の列にある「定款作成手数料・印紙代 0.5万円」は、電子定款作成費5,000円を指しています。つまり公式の試算自体が、電子定款作成費5,000円がかかる前提で計算されているため、有料プランの登録でこれが無料になれば、試算より1.7万円(株式会社の場合)ほど総額を抑えられます。逆に言えば、「利用料0円」という言葉のイメージほど、公式試算の総額は安くなっていない点に注意してください。

freee会社設立との違い(会社設立の観点で)

会計ソフト大手のfreeeも、無料の会社設立支援サービス「freee会社設立」を提供しています。両者の会計ソフトそのものの比較は「freee会計 vs マネーフォワード クラウド会計」で扱っていますが、会社設立サービスとしての注意点は共通する部分が多くあります。

比較軸マネーフォワード クラウド会社設立freee会社設立(一般的な特徴)
利用料0円0円
電子定款作成費が無料になる条件MFクラウド有料プランの契約freee会計等の有料プラン契約が条件になることが多い(要確認)
対応する会社形態株式会社・合同会社株式会社・合同会社が中心(詳細は各社で確認)
登記申請の代行有料プランで対応サービスにより異なる

どちらを選ぶかは「設立後にどちらの会計ソフトを使い続けるか」で決めるのが合理的です。会計ソフトを先に決めていない場合は、電子定款作成費が無料になる条件(有料プランの内容・価格)を両社で比較してから選ぶと、二重に費用を払うことを避けられます。

資本金の額で登録免許税はどう変わるか

登録免許税は「資本金の額×0.7%」と「最低額(株式会社15万円、合同会社6万円)」を比べて高いほうが適用されます。資本金をいくらにするかで、設立費用の総額が変わる点も注意点の一つです。

資本金株式会社の登録免許税合同会社の登録免許税
100万円15万円(0.7%=7,000円だが最低額を適用)6万円(同上)
500万円15万円(0.7%=35,000円だが最低額を適用)6万円(同上)
2,143万円約15万円(0.7%が最低額と同額になる分岐点)—
3,000万円21万円(0.7%で計算)21万円(0.7%で計算)

資本金が2,143万円(株式会社)・857万円強(合同会社)を超えたあたりから、登録免許税は資本金の0.7%で計算され、最低額より高くなります。一般的な小規模法人・マイクロ法人の資本金(数十万〜数百万円程度)であれば、登録免許税は最低額(株式会社15万円・合同会社6万円)で固定されると考えて差し支えありません。この点は、マネーフォワードを使っても自分で設立しても専門家に依頼しても金額は変わらない、法律で決まった費用です。

設立後にやることと、書類自動作成の範囲

マネーフォワード クラウド会社設立では、登記申請書類だけでなく、設立後に必要な届出書類も自動作成されると案内されています。ただし「作成」と「提出」は別の作業です。

提出先主な届出提出は誰が行うか
税務署法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書自分で提出(郵送・持参・e-Tax)
都道府県・市区町村法人設立届出書自分で提出
年金事務所健康保険・厚生年金の新規適用届自分で提出(役員1人の会社でも加入義務がある)
労働基準監督署・ハローワーク従業員を雇う場合の労働保険関係の届出自分で提出(雇用する場合のみ)

これらの届出には、それぞれ提出期限があります(税務署への届出は設立から2か月以内など)。書類が自動で作成されても、期限内に自分で提出しなければ意味がないため、設立後のスケジュールに組み込んでおく必要があります。

キャンペーンを利用する場合の注意

2026年9月確認時点で、法人向けクラウド会計プランの年払い・カード決済での新規契約者を対象に、Amazonギフトカードを還元するキャンペーン(10月31日まで)が案内されています。キャンペーンは実施期間や条件が変更・終了されることがあるため、電子定款作成費の無料化とキャンペーン特典を同時に狙う場合は、申込み時点で両方の条件(対象プラン・支払方法・契約期間)を満たしているかを公式サイトで必ず確認してください。キャンペーンの終了後に契約すると、還元は受けられなくても電子定款作成費の無料条件自体は継続している可能性があるため、両者は別の条件として扱うのが安全です。

契約前に確認する6項目

  1. 自分が作る会社の形態が対応範囲か: 株式会社・合同会社以外、取締役会設置、未成年役員、現物出資、複数株主のいずれかに該当しないか
  2. 電子定款作成費の扱い: どの有料プランを、いつまでに契約すれば無料になるか。1か月の無料期間中に解約した場合の扱い
  3. 登記申請を自分で行えるか: 法務局へ行く時間、またはオンライン申請の準備ができるか。難しい場合は登記代行プランの費用を確認
  4. 資本金の額: 登録免許税は資本金の0.7%と最低額(株式会社15万円・合同会社6万円)の高いほうになるため、資本金が大きいと税額も増える
  5. 設立後に使う会計ソフト: MFクラウドを使い続けるか、他社にするかで電子定款作成費の扱いが変わる
  6. 将来の事業目的の追加: 設立時に目的を広めに設定しておかないと、あとで定款変更・変更登記(登録免許税3万円)が必要になる

こんな人は司法書士への依頼を検討したほうがよい

公式サイトの記載から、無料サービスの対応範囲を超えると考えられるケースです。

  • 一般社団法人・NPO法人・合資会社・合名会社を作りたい人
  • 取締役会を設置する株式会社にしたい人
  • 未成年の共同創業者が役員に入る予定の人
  • 金銭以外の財産(設備・車両など)を現物出資する予定の人
  • 株主が3人以上いる、種類株式など変則的な設計が必要な人
  • 資金調達(ベンチャーキャピタル等からの出資)を予定していて、定款や登記に専門的な設計が必要な人

これらに該当する場合、無料サービスで途中まで進めても、結局は司法書士に組み直しを依頼することになり、二度手間になる可能性があります。該当する項目がある場合は、最初から司法書士に相談することを検討してください。会社設立を自分で行うか専門家に頼むかの判断基準は「会社設立は自分でやるか司法書士に頼むか」、合同会社を自分で設立する場合の具体的な手順は「合同会社を自分で設立する手順」で整理しています。

※ 料金・条件・対応範囲は2026年9月時点の公式サイトの表記です。変更されることがあるため、利用前に必ず公式サイトで最新の情報を確認してください。個別の設立方針の判断は、税理士・司法書士に相談してください。

よくある質問

Q. 「利用料0円」なのに、なぜ結局5,000円かかることがあるのですか? サービスそのものの利用料は0円ですが、電子定款の作成を代行する費用(税込5,000円)は別立てです。この5,000円は、マネーフォワード クラウドの有料プラン(ひとり法人・スモールビジネス・ビジネスのいずれか)に登録すると無料になります。他社の会計ソフトを使う予定なら、5,000円を払って電子定款だけ作る形になります。

Q. 一般社団法人を作りたいのですが、使えますか? 公式サイトの説明によると、一般社団法人は非対応です。株式会社・合同会社のみに対応しています。一般社団法人の設立は、司法書士など専門家への相談が必要です。

Q. 登記申請は代わりにやってもらえますか? 無料の範囲は書類作成までで、法務局への申請は自分で行います。代行してほしい場合は、有料の登記代行プランが用意されています。具体的な金額は公式サイトで確認するか、問い合わせてください。

Q. 電子定款作成費が無料になる有料プランは、設立後すぐ解約してもよいですか? 各プランには1か月の無料期間があります。無料期間内に解約した場合に電子定款作成費の無料条件がどう扱われるかは、公式サイトのテキストからは明確に読み取れないため、契約前にサポート窓口で確認することをおすすめします。

Q. 株主が2人いる場合は使えませんか? 公式の解説では「株主が複数・現物出資・変則的な定款など、標準から外れる設立には対応しきれない」とされています。株主が2人程度であれば対応できる場合もありますが、持株比率や将来の増資計画によっては司法書士への相談が安全です。個別の状況は公式サイトの相談窓口や司法書士に確認してください。

Q. freee会社設立と比べて、どちらが安く済みますか? どちらも利用料自体は0円で、電子定款作成費が無料になる条件(有料プランの契約)も似た仕組みです。最終的な総額は、設立後にどちらの会計ソフトを継続利用するか、そのプラン料金によって変わります。会計ソフト自体の機能比較は「freee会計 vs マネーフォワード クラウド会計」を参照してください。

Q. 資本金はいくらにすればよいですか? 資本金の額は事業の内容や規模によって異なり、一律の正解はありません。登録免許税は資本金の0.7%と最低額(株式会社15万円・合同会社6万円)の高いほうになるため、数百万円程度までであれば税額への影響は限定的です。ただし、資本金は許認可の要件や、取引先・金融機関からの信用にも関わるため、事業計画にあわせて税理士に相談しながら決めることをおすすめします。

Q. 設立後の届出も自動で提出されますか? 書類の作成までが自動で、税務署・都道府県・年金事務所への提出は自分で行う必要があります。提出には期限があるものが多いため、設立日から逆算してスケジュールを組んでおくと提出漏れを防げます。

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