「プロパンガスが高い気がする」と思っても、比べる基準がないと判断できません。電気や都市ガスと違い、プロパンガス(LPガス)は自由料金制で国が価格を決めていないため、同じ地域でも会社によって金額が変わります。ここでは、公的な調査にもとづく地域別の平均価格を示したうえで、自分の請求額が高いかどうかを判断する手順を整理します。
地域別の平均価格(2026年8月調査)
以下は、石油情報センター(一般財団法人日本エネルギー経済研究所)が公表している「一般小売価格 LP(プロパン)ガス 速報」の2026年8月31日調査分です。基本料金および消費税を含んだ金額で、使用量ごとに示されています。
| 北海道 | 10m³ 11,663円 | 5m³ 7,089円/20m³ 20,245円 |
| 東北 | 10m³ 10,770円 | 5m³ 6,458円/20m³ 18,997円 |
| 関東 | 10m³ 9,238円 | 5m³ 5,620円/20m³ 16,286円 |
| 中部 | 10m³ 9,728円 | 5m³ 5,963円/20m³ 16,929円 |
| 近畿 | 10m³ 9,455円 | 5m³ 5,825円/20m³ 16,338円 |
| 中国 | 10m³ 10,299円 | 5m³ 6,319円/20m³ 17,832円 |
| 四国 | 10m³ 9,447円 | 5m³ 5,808円/20m³ 16,278円 |
| 九州及び沖縄 | 10m³ 9,736円 | 5m³ 5,960円/20m³ 16,744円 |
| 全国平均 | 10m³ 9,822円 | 5m³ 5,991円/20m³ 17,118円/50m³ 37,365円 |
月10立方メートル使用で見ると、いちばん高い北海道(11,663円)といちばん安い関東(9,238円)の差は月2,425円、年間にすると約29,100円になります。寒冷地は給湯の使用量そのものが増えるため、実際の負担差はさらに開きます。
まず自分の使用量を確認する
平均と比べるには、請求書に書かれている使用量(立方メートル)を確認する必要があります。金額だけを見て「高い」と判断すると、単に使用量が多いだけということもあるためです。手順は次のとおりです。
- 直近の請求書で「使用量(m³)」と「合計金額(税込)」を確認する
- 上の表から、自分の地域・近い使用量の平均価格を見る
- 使用量が表の区分とずれている場合は、近い区分どうしで傾向をつかむ
- 平均を大きく上回っているなら、内訳の確認に進む
平均より高いからといって、すぐ不当とは限らない
ここは冷静に見る必要があります。プロパンガスは各家庭までボンベを配送する仕組みのため、配送距離や地域の需要密度によってコスト構造が変わります。山間部や戸数の少ない地域で平均を上回るのは、ある程度は構造的な要因です。
一方で、平均を大きく超えている場合は、料金の内訳に本来含まれるべきでない費用が乗っている可能性があります。ここを確認できるようにしたのが、次に説明する制度改正です。
高いかどうかの判断がつかないとき
プロパンガスは自由料金のため、同じ地域・同じ使用量でも会社によって金額が変わります。現在の請求額が妥当かどうかは、同条件で他社の料金を出してもらうのがいちばん確実です。
ガス屋の窓口の紹介ページを見る2025年4月から請求書の表示ルールが変わった
経済産業省は2025年4月2日、LPガス料金の表示・計上方法に関する新しいルールを施行しました。これは「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令」(令和6年経済産業省令第32号)にもとづくもので、内容は次のとおりです。
- LPガス料金を請求するときは、基本料金・従量料金・設備料金の3つに分けて通知することを義務付け(三部料金制)
- 電気エアコンやインターホン、Wi-Fi機器等、LPガス消費と関係のない設備費用をLPガス料金として請求することを禁止
- 賃貸住宅向けのLPガス料金においては、ガス器具等の消費設備費用についてもLPガス料金として請求することを禁止
つまり、請求書が3区分で表示されているかどうか、賃貸なのに設備料金が計上されていないかどうかが、確認すべき具体的なポイントになったということです。請求書の読み方は「プロパンガスの請求書の見方|三部料金制で確認すべき3点」で詳しく整理しています。
高いと分かったあとの選択肢
比較した結果として料金が高いと判断できた場合、取れる手段は住まいの形態で変わります。
| 持ち家(一戸建て) | 自分で会社を変更できる | 契約者本人のため、相見積もりを取って切り替えられる |
| 賃貸 | 単独では変更できない | 契約主体がオーナーのため、大家・管理会社への相談が必要 |
賃貸の場合の進め方は「賃貸のプロパンガスは会社を変更できる?大家への交渉手順」にまとめています。
よくある疑問
プロパンガスの全国平均はいくらですか
石油情報センターが公表している2026年8月31日調査の一般小売価格(速報)では、全国平均は5立方メートルで5,991円、10立方メートルで9,822円、20立方メートルで17,118円です。いずれも基本料金と消費税を含んだ金額です。
なぜ会社によって価格が違うのですか
プロパンガス(LPガス)は自由料金制で、国が価格を決めていないためです。事業者ごとに仕入れ値や配送コスト、設定方針が異なるため、同じ地域でも会社によって差が出ます。都市ガスのような規制料金がない点が大きな違いです。
平均価格より高ければすぐ乗り換えるべきですか
平均はあくまで目安です。地域によって配送距離や需要密度が違うため、平均を上回ること自体が直ちに不当とは限りません。ただし大きく上回っている場合は、請求内訳を確認したうえで、他社の見積もりを取って比較する価値があります。
請求書のどこを見れば比較できますか
2025年4月2日に施行された新しいルールにより、LPガス料金は基本料金・従量料金・設備料金の3つに分けて通知することが義務付けられました。まず自分の請求書がこの3区分で表示されているかを確認し、使用量(立方メートル)と合計額を平均価格表と突き合わせてください。
相場チェックリスト
- 請求書で使用量(m³)と税込合計額を確認した
- 自分の地域の平均価格と突き合わせた
- 請求書が基本料金・従量料金・設備料金の3区分になっているか見た
- 持ち家か賃貸かで取れる手段を把握した
- 平均を大きく上回る場合は他社の見積もりを取った
まとめ
プロパンガスは自由料金のため、「高いかどうか」は公的な平均価格と自分の使用量を突き合わせて初めて判断できます。全国平均は月10立方メートルで9,822円(2026年8月31日調査・税込)、地域差は最大で月2,425円あります。平均を大きく超えている場合は、2025年4月から義務化された三部料金制の表示を手がかりに内訳を確認し、そのうえで他社の料金と比べてみてください。電気とガスをまとめて見直したい場合は「電気・ガスの乗り換えで固定費を下げる」で比較すべき4つのポイントを整理しています。
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