会計・経理SaaS
顧問税理士がクラウド会計に非対応なら?3つの選択肢を比較
結論: 「税理士を切る」以外にも2つの選択肢がある
「クラウド会計を導入したいが、今の顧問税理士が対応していない(紙の資料でのやり取りを続けている、freeeやマネーフォワードのアカウントを持っていない)」という状況で検索している方に向けて、選択肢を整理します。
- 選択肢1: 今の税理士に閲覧・招待権限を渡し、関係は変えずに継続する
- 選択肢2: クラウド会計に対応した税理士・会計事務所へ変更する
- 選択肢3: 税理士との顧問契約自体をいったん見直し、自社で完結させる
いきなり「税理士を変える」という結論に飛びつく前に、freeeとマネーフォワード クラウド会計にはどちらも税理士・会計事務所をゲストとして招待できる機能が用意されています。まずこの機能で解決できないかを確認し、それでも難しい場合に税理士変更や自社完結を検討する、という順番で読み進めてください。
30秒で判断: まずfreeeかマネーフォワードで税理士をゲストとして招待できるかを試し、難しければ税理士変更、取引が少なければ自社完結、の順で考えます。どちらのソフトも公式サイトで無料トライアルを案内しているので、招待機能の操作は契約前に確認できます。
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選択肢1: 今の税理士に権限を渡して継続する
freeeには、税理士・会計士に自社のデータを共有する機能が用意されています。公式ヘルプセンターの案内によると、freeeから認定を受けた「freee認定アドバイザー」に該当する税理士・会計事務所であれば、有料のメンバー枠を消費しない「ゲストメンバー」として追加できるとされています(出典: freeeヘルプセンター「税理士・会計士にfreeeの情報を共有する」)。招待の権限は「管理者」「編集」「承認」「閲覧のみ」など複数段階から選べるとされており、経理データを見るだけでよいのか、仕訳の修正まで任せるのかによって権限を使い分けられます(出典: freeeヘルプセンター「freee会計のメンバー招待・権限」)。
マネーフォワード クラウド会計も同様に、メンバー招待の仕組みで税理士とデータを共有できます。公式サイトの解説では、顧問先が有料プランを契約している場合、税理士側のマネーフォワードIDを顧問先に伝え、顧問先側の「メンバー追加」画面から招待してもらう流れが案内されています(出典: マネーフォワード クラウド会計「税理士とのやりとりを効率化!クラウド型会計ソフトでデータ共有」)。招待されたメンバーの権限は画面上で「管理者」「一般」などに分かれ、経理業務全体を任せるか、閲覧中心にとどめるかを設定できます(出典: マネーフォワード クラウド会計サポート「メンバーの『権限』にはどのようなものがありますか?」)。
今の税理士が「クラウド会計そのものに触ったことがない」だけであれば、まず閲覧権限だけを渡し、月次の資料をPDFやCSVでやり取りする代わりにクラウド上で直接確認してもらう運用に切り替えられないか相談してみる価値があります。税理士側の操作負担は「ログインして画面を見る」程度から始められるため、乗り換えより心理的なハードルが低い選択肢です。
選択肢2: クラウド会計に対応した税理士へ変更する
今の税理士がクラウド会計自体に消極的で、権限を渡しても実際には見てもらえない、という場合は、対応している税理士への変更が現実的な選択肢になります。
freeeは「freee税理士検索」という専用ポータルを公式に用意しており、freee認定アドバイザーとして登録された税理士・会計事務所を地域や依頼内容、業種などの条件で絞り込んで探せるとされています(出典: freee認定アドバイザー制度)。マネーフォワード クラウドにも同様に、公認メンバー制度に登録した税理士・社労士事務所を検索・紹介する仕組みがあり、全国の登録事務所の中から条件に応じた紹介を受けられるサービスが公開されています(出典: マネーフォワード クラウド「会計士・税理士検索 / 紹介」、マネーフォワード クラウド「税理士・社労士無料紹介サービス」)。
税理士を変更する場合、記帳代行の範囲・料金体系・レスポンスの速さなど、クラウド会計対応以外の条件も改めて比較する必要があります。長年の顧問契約を解消するなら、決算期をまたぐと引き継ぎが煩雑になりやすいため、決算月の直後など区切りの良いタイミングでの切り替えが無難とされています。
選択肢3: 税理士に頼らず自社で完結させる
事業規模が小さく、記帳から申告まで自社で担いたい場合は、税理士を介さずクラウド会計を自社完結で運用する選択肢もあります。ただし、この選択肢は税務判断のリスクを自社で負うことになる点に注意が必要です。日々の記帳や請求書発行はクラウド会計の自動化機能でかなりの部分をカバーできますが、税額控除の適用可否やインボイス制度・消費税区分の判断など、専門的な税務判断が必要な場面では、最終的な確認を税理士などの専門家に依頼することをおすすめします。
自社完結を選ぶ場合でも、繁忙期だけスポットで税理士に相談する部分的な併用は現実的な選択肢です。
自社で記帳する場合は、請求・入金の流れも合わせて整理すると運用が安定します。入金サイクルの短縮はフリーランスの請求書を即日払いにする方法と手数料、新設法人の経費の払い方は新設法人の法人ETCカードの作り方も参考になります。会計ソフトの候補は freee会計(公式サイト)【PR】 と マネーフォワード クラウド会計(公式サイト)【PR】 から比べられます。
3つの選択肢をコスト・手間・リスクで比較
| 選択肢 | コスト | 手間 | リスク | 向いている状況 |
|---|---|---|---|---|
| ①今の税理士に権限付与で継続 | 追加費用は基本的に発生しにくい(ゲストメンバー枠の活用) | 税理士側の操作習熟に時間がかかる場合がある | 税理士が実際には確認しない「形だけの招待」で終わる可能性 | 税理士との信頼関係を維持したい、変更の手間を避けたい |
| ②クラウド会計対応の税理士へ変更 | 新規契約の顧問料・場合によっては解約に伴う精算費用 | 過去データの引き継ぎ・関係構築に一定の期間が必要 | 決算期をまたぐ切り替えは引き継ぎミスのリスクが上がる | 今の税理士がクラウド会計に消極的で改善が見込めない |
| ③自社完結(税理士なし) | 顧問料が不要になる分、コストは下がりやすい | 記帳・申告関連の作業をすべて自社で担う必要がある | 税務判断を誤るリスクを自社で負う(専門家への確認推奨) | 事業規模が小さく、税務相談の頻度が少ない |
表はあくまで一般的な傾向を整理したものであり、実際のコスト・手間は事業規模や取引の複雑さによって変わります。判断に迷う場合は、まず①の権限付与から試し、それでも改善しなければ②・③を検討する、という順番が手戻りの少ない進め方です。
判断に迷ったときの考え方
- 今の税理士との関係(相談のしやすさ・過去の対応実績)を重視するなら、まずは①の権限付与を提案してみる
- クラウド会計特有の自動仕訳・銀行連携の恩恵を最大化したいなら、②の対応税理士への変更を検討する
- 取引件数が少なく、税務相談の必要性自体が低い個人事業主に近い規模であれば、③の自社完結も選択肢に入る
いずれの選択肢を選ぶ場合も、消費税の申告方式(簡易課税・原則課税)やインボイス対応など、税務上の最終判断は税理士・税務署など専門家への確認を前提に進めることをおすすめします。本記事の内容は一般的な情報整理であり、個別の税務判断を保証するものではありません。
税理士に相談するときの伝え方
「クラウド会計に変えたい」と伝えるだけでは、税理士は「今のやり方を否定された」と受け取ることがあります。次の順で伝えると、協力を得やすくなります。
- 目的を先に伝える: 「銀行明細の手入力をなくして、月次の数字を早く見たい」など、業務上の目的
- 税理士の作業がどう変わるかを示す: 「仕訳のチェックと申告はこれまで通りお願いしたい。データの受け渡しがクラウド上になる」
- 具体的なソフト名と、税理士向けの機能を伝える: 多くのクラウド会計には税理士用のアカウント・権限機能がある
- 移行の時期と手順を相談する: 期首に合わせるか、期中でも可能か(「会計ソフトの乗り換えは期中と期首どちらか」)
- 対応が難しい場合の選択肢も聞く: 「対応が難しい場合、紹介できる税理士はいるか」
税理士を変更する場合の手順と注意
| 段階 | やること | 注意 |
|---|---|---|
| 1. 契約内容の確認 | 現在の顧問契約の解約条件(予告期間・決算期をまたぐ場合の費用) | 決算・申告の直前の変更は避ける |
| 2. 新しい税理士の選定 | クラウド会計の対応実績、月次の関与の仕方、料金 | ソフトの認定アドバイザー制度で探せる |
| 3. 引き継ぎ資料の回収 | 過去の申告書・総勘定元帳・固定資産台帳・届出書の控え | データで受け取れるか確認 |
| 4. 解約の通知 | 書面またはメールで、解約日を明記 | 口頭だけにしない |
| 5. 新旧の重なり期間 | 決算までの期間を新旧どちらが担当するか明確に | 空白期間を作らない |
変更のタイミングは、決算・申告が終わった直後が最も混乱が少なく、引き継ぎ資料もそろいます。
税理士側から見た「対応できない」理由
税理士がクラウド会計に消極的な理由を知っておくと、相談の仕方が変わります。
- 事務所の作業フローが既存ソフトで固まっている: 複数の顧問先を同じソフトで処理しているため、1社だけ別のソフトにすると事務所側の手間が増える
- クラウド会計の自動仕訳を信用していない: 自動で当てられた科目の誤りを、結局チェックし直す必要がある
- 料金体系が合わない: 記帳代行の売上が減る(顧問先が自分で入力するため)
- 操作に慣れていない: 事務所の職員がクラウド会計を使ったことがない
このうち「自動仕訳の精度」への懸念は正当で、導入後も税理士のチェックは必要です。「記帳は自社でやるので、チェックと申告をお願いしたい。その分、月次の相談時間を増やしてほしい」という提案は、税理士側にも受け入れやすい形です。
よくある質問
Q. 税理士に無断でクラウド会計を導入してもよいですか
顧問契約の内容にもよりますが、記帳方法を大きく変える場合は事前に税理士へ相談しておくことが望ましいとされています。特に自動仕訳の設定や勘定科目の対応関係は、税理士側の確認なしに進めると決算時の修正作業が増える可能性があります。
Q. freeeとマネーフォワードでは、税理士側の対応のしやすさに違いはありますか
どちらも税理士・会計事務所向けの認定制度と招待機能を公式に用意しています。ただし個々の税理士がどちらのソフトに慣れているかは事務所によって異なるため、乗り換えを検討する場合は候補の税理士がどちらのクラウド会計に対応しているかを事前に確認しておくと安心です。
Q. 権限だけ渡して、税理士に一切見てもらえなかった場合はどうすればよいですか
招待した権限で実際にログイン・確認してもらえているかを、月次の面談やメールで定期的に確認することをおすすめします。数か月経っても状況が変わらない場合は、選択肢2(税理士変更)または選択肢3(自社完結)への切り替えを検討する目安になります。
Q. クラウド会計に変えると顧問料は下がりますか 記帳代行を自社で行うようになれば、その分の料金が下がる契約もありますが、税理士の主な業務は申告と税務相談で、これらの料金は変わりません。「記帳代行分を減らし、月次の相談を増やす」という契約の組み替えを相談するのが現実的です。
Q. 税理士がクラウド会計を使えるようになるまで待つべきですか 税理士側が「学ぶ」と言っているなら、期首に合わせて数か月待つ価値はあります。ただし「検討する」のまま半年以上動きがない場合は、選択肢2(変更)を具体的に検討する時期です。
Q. 自社で完結させる場合、決算だけ税理士に頼めますか 「決算・申告のみ」を単発で受ける税理士事務所もあります。月次の記帳を自社で行い、年1回の決算と申告だけ依頼する形は、顧問契約より費用を抑えられます。ただし、年1回では税務上の判断(節税・届出)が後手になるため、年の途中で相談できる窓口を確保しておくと安心です。
次の一歩: 税理士の対応状況が分かったら、招待機能を実際の画面で確かめます。
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