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会議の録音・文字起こしは社内ルールが必要?雛形と設定対応表

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結論: ツール導入前に「社内ルール」を先に文書化する

Nottaなどの文字起こしツールを会議に導入する際、多くの企業が機能や料金の比較から入りますが、後から問題になりやすいのは「誰の同意を得るか」「録音データをいつまで、誰と共有するか」といった運用ルールが決まっていないことです。ツールの設定はルールが固まった後に合わせる方がスムーズなため、まず社内ルールの雛形を作り、その上でツールの設定項目と対応づける順番をおすすめします。

なお、本記事は法的助言を目的とするものではありません。録音・個人情報の取り扱いに関する法的な判断が必要な場合は、個人情報保護委員会の公開資料を確認した上で、最終的な判断は弁護士・専門家に相談することをおすすめします。

30秒で判断: ①録音する会議の範囲と目的、②参加者への事前通知と同意の取り方、③保存期間と共有範囲、の3点を先に決め、そのあとでツールの設定を合わせます。ルールの下書きができたら、無料プランのあるツールで設定項目と照らし合わせるのが近道です。

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録音データは個人情報に該当するのか

個人情報保護委員会が公開しているガイドラインQ&Aでは、通話・会話の録音データの扱いについて次のように整理されています。

  • 「通話内容から特定の個人を識別することが可能な場合には個人情報に該当します」とされています(出典: 個人情報保護委員会「『個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン』に関するQ&A」Q1-10)
  • 一方で、録音内容だけでは特定の個人を識別できない場合でも、「その他の情報と容易に照合でき、それによって特定の個人を識別することができれば、その情報とあわせて全体として個人情報に該当する」との整理も示されています(出典: 同Q1-11)
  • 氏名を含む会話であっても、その氏名により検索できる状態に整理されていなければ、直ちに「個人情報データベース等」には該当しないともされています(出典: 同Q1-42)

つまり、会議の録音・文字起こしデータは、参加者が特定できる形で保存・共有される以上、多くの場面で個人情報として慎重に扱うべきデータに当たると考えられます。社内ルールを作る際は「これは個人情報だから慎重に扱う」という前提に立って設計することをおすすめします。

社内ルール雛形(条文形式)

以下は、会議の録音・文字起こし運用に関する社内ルールの雛形です。自社の組織体制や利用ツールに合わせて、括弧内の具体的な運用方法を確定させた上でご利用ください。

第1条(目的) 本ルールは、社内会議・商談における録音および文字起こしデータの取り扱いに関する基準を定め、参加者のプライバシーに配慮した適切な運用を図ることを目的とする。

第2条(同意の取得) 会議を録音する場合、主催者は会議の冒頭で録音する旨を口頭またはチャットで参加者全員に告知し、同意を得るものとする。社外の参加者が含まれる会議では、事前の招待メール等で録音する旨を明記し、開始前に異議がないことを確認する。

第3条(録音の告知方法) 録音・文字起こしツールを起動する際は、ツール側の通知機能(参加者への表示・Bot参加の告知等)を有効にし、参加者が録音の有無を認識できる状態を維持する。

第4条(保存期間) 録音・文字起こしデータの保存期間は原則として(例: 議事録確定後6か月間)とし、期間経過後は担当者が定期的に削除する。契約・法務に関わる重要な会議は、別途定める長期保存対象に含める。

第5条(共有範囲) 録音・文字起こしデータの共有範囲は、会議参加者および業務上必要なメンバーに限定する。ワークスペース内の全体共有設定を利用する場合は、共有範囲を事前に確認した上で有効化する。

第6条(社外会議の扱い) 取引先・顧客が参加する社外会議を録音する場合、事前に相手方の同意を得るものとし、相手方が録音を望まない場合は録音を行わない。文字起こしデータを社外へ共有する際は、共有前に社内の確認プロセスを経る。

第7条(退職者データの扱い) 退職者が参加していた会議の録音・文字起こしデータは、退職後も第4条の保存期間に従って管理し、アクセス権限は退職と同時に削除する。データそのものの要否は、業務引き継ぎの完了後に見直す。

第8条(改廃) 本ルールの改廃は、利用ツールの変更や運用実態の変化に応じて随時見直すものとする。

条文とツール設定の対応表

条文で定めたルールは、実際には文字起こしツール側の設定項目と対応づけて運用する必要があります。Nottaを例に、公式ヘルプセンターで案内されている設定項目との対応関係を整理します。

条文運用ルールの内容対応するツール設定の例
第2条(同意の取得)会議冒頭での告知・事前同意の確認会議参加時の録音通知表示(ツール依存のため利用前に確認)
第3条(録音の告知)Bot参加・録音中の表示を維持するZoom・Teams連携時のBot表示設定
第4条(保存期間)保存期間経過後の削除運用ノート・フォルダ単位でのアクセス権・保存期間の管理(出典: Nottaヘルプセンター「文字起こしデータにアクセス権を設定する」)
第5条(共有範囲)会議参加者・必要なメンバーのみへの共有対象メンバー・グループを選択して権限を付与する共有設定(出典: Nottaヘルプセンター「共有とアクセス権限設定」)
第5条(共有範囲・全体共有)ワークスペース全体への共有の要否確認ワークスペース単位の内部共有設定(出典: Nottaヘルプセンター「ワークスペース単位の内部共有設定」)
第7条(退職者データ)退職時のアクセス権限削除ユーザーロール・権限の変更・削除(出典: Nottaヘルプセンター「ユーザーロールと権限」)

条文と設定を対応づける際は、ツールの管理画面のスクリーンショットを添えた運用マニュアルを別途作成し、社内ルールの条文だけでは伝わりにくい「実際の操作手順」を補足しておくと、担当者が変わっても運用が引き継ぎやすくなります。

導入時に見落としやすいポイント

  • 社外会議のBot参加: 取引先の会議に文字起こしBotを参加させる場合、事前告知なしに参加させるとトラブルの原因になります。社外向けの招待文には、録音・文字起こしツールを利用する旨を明記するテンプレートを用意しておくと運用が安定します。
  • 無料プランでの利用範囲: 無料プランでは共有範囲やアクセス権限の設定項目が限定されている場合があります。社内ルールで定めた共有範囲を実現できるプランかどうかは、契約前に公式サイトで確認してください。
  • 法務・人事関連の会議: 契約交渉や人事評価に関わる会議は、通常の会議より厳格な保存期間・共有範囲を定める必要があります。第4条の保存期間は、会議の性質に応じて複数パターンを用意しておくことをおすすめします。

社外の相手がいる会議での運用

社内ルールを作っても、取引先や顧客との会議では相手の同意が別に必要です。次の運用を決めておきます。

  • 会議の冒頭で録音・文字起こしの旨を伝え、同意を得る: 「議事録作成のため録音します。問題があればお知らせください」と口頭で伝え、議事録に「録音の同意を得た」旨を記載する
  • 相手が拒否した場合は録音しない: 拒否を理由に不利益を与えない
  • 文字起こしの共有範囲: 相手に共有するか、社内のみか。共有する場合は、相手の発言の誤変換を修正してから
  • 保存期間: 社内ルールの保存期間を、社外会議にも適用する
  • 秘密保持契約(NDA)との関係: NDAがある相手との会議は、録音データもNDAの対象情報として扱う

ツール選定で確認するセキュリティ項目

文字起こしツールは音声データを外部サーバーで処理するため、ルールと合わせてツール側の仕様も確認します。

項目確認することルールとの対応
データの保存場所国内か海外か。暗号化の有無個人情報の第三者提供・越境移転の扱い
学習利用音声・文字起こしデータをAIの学習に使わないか利用規約の該当条項を確認
削除ユーザーが削除した後、サーバーからも消えるか。期間保存期間ルールの実効性
アクセス権限録音を閲覧できる範囲を設定できるか共有範囲のルール
ログ誰がいつ閲覧・ダウンロードしたか記録されるか監査・事故時の追跡

議事録ツールの一例として、当サイトではNottaを公開情報から整理しています(「Nottaの料金・機能を解説」)。

上の表の項目(保存場所・学習利用・削除・アクセス権限・ログ)を、契約前に公式サイトのセキュリティポリシーで確認してください。Nottaの公式サイトで機能とセキュリティの案内を確認する【PR】

ルールを社内に周知する手順

文書化したルールは、周知されなければ機能しません。次の手順で定着させます。

  1. 経営者・管理職に先に説明する: 管理職が「録音します」と会議の冒頭で言う習慣ができると、全社に広がる
  2. 全社向けに1枚の要約を配る: 条文形式の規程とは別に、「録音するときの3つのルール」のような要約を作る
  3. ツールの初回設定を情報システム担当が一括で行う: 保存期間・共有範囲の初期設定を、個人任せにしない
  4. 最初の1か月は録音の一覧を確認する: ルール通りに保存・共有されているかを、担当者が月末に確認する
  5. 違反ではなく「迷った例」を集める: 「この場合は録音していいのか」の質問を集め、ルールに追記する

録音データの保存期間の考え方

保存期間は「議事録の確定後〇日で削除」と決めるのが一般的です。目安は次の通りです。

会議の種類音声データ文字起こし確定した議事録
社内の定例会議議事録確定後30日で削除議事録確定後30日で削除文書管理規程に従う(数年)
取引先との打ち合わせ議事録確定後30日で削除同上契約に関わるものは契約期間+数年
人事・評価に関わる会議原則録音しない、または即日削除同上人事記録として厳重に管理
取締役会など法定の会議議事録確定後に削除同上法定の保存期間(会社法で10年)

音声データは「議事録を作るための一時的なもの」と位置づけ、長期保存しないのが、個人情報と機密情報の両面でリスクを減らす考え方です。

よくある質問

Q. 録音の同意は口頭だけで十分ですか

社内会議であれば口頭での告知とチャットでの記録を組み合わせる運用が一般的とされていますが、社外の取引先が参加する会議では、後から「同意していない」という認識のずれが起きないよう、事前のメールなど記録に残る形で告知しておくことをおすすめします。法的に必要な同意の取得方法については、個々の状況によって判断が異なるため、専門家に確認することをおすすめします。

Q. 保存期間はどれくらいに設定すればよいですか

一般的な社内会議であれば議事録確定後の一定期間で削除する運用が多く見られますが、契約書の作成根拠となる商談や、法務・労務トラブルに関わる可能性がある会議は、より長期の保存が必要になる場合があります。業種・会議の性質によって適切な期間は異なるため、社内の法務担当者や顧問弁護士と相談の上で条文の期間を確定させることをおすすめします。

Q. 退職者が参加していた過去の会議データはどう扱えばよいですか

アクセス権限は退職と同時に削除し、データそのものを残すかどうかは業務引き継ぎの完了状況を踏まえて判断する運用が現実的です。個人情報保護の観点では、利用目的を達成したデータを漫然と保存し続けないことが望ましいとされているため、定期的な棚卸しのタイミングで削除対象を見直すルールにしておくと安心です。

Q. 従業員が録音に同意しない場合はどうしますか 業務上の会議の録音は、目的と管理方法を明示すれば業務命令として行える場合が多いとされますが、同意を得ずに強行すると信頼関係を損ないます。同意しない理由を聞き、発言者名を伏せる・保存期間を短くするなどの対応で解決できることが多いです。


次の一歩: ルールの雛形を自社向けに直したら、設定項目を確認できるツールで運用を試します。

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