結論(3行)
- スマホ・ライト・ラジオ中心の一人暮らしなら300Whクラス(Jackery 240 New/BLUETTI EB3A/Dabbsson 300E)。どれも4kg前後で、ベッド横やデスク下に置けます
- 在宅勤務のPCや冬の電気毛布まで使うなら500〜800Whクラス(Jackery 500 New/BLUETTI AC70/Dabbsson 600L)。重さが5.7〜10.2kgと大きく違うので、置き場所から持ち上げられるかで絞ります
- 3社とも電池はリン酸鉄系(Dabbssonは半固体)で長寿命をうたっています。差が出るのは重さ・定格出力・保証の条件(公式購入かどうか)・保管温度。購入前に公式ページで最新の仕様と保証条件を確認します
「ポータブル電源を買うことは決めたけれど、Jackery・BLUETTI・Dabbssonのどれにするか決められない」。ポータブル電源の比較記事の多くは、キャンプや車中泊、戸建ての家庭用を前提にしていて、ワンルームや1Kに住む一人暮らしの防災用として、どこに置けて、どの重さなら扱えるかまでは書かれていないことがよくあります。
この記事では、防災用ポータブル電源の代表的な3ブランドについて、一人暮らしで候補になりやすい2つの容量クラスの機種を、メーカー公式サイトの公表値で同じ表に並べます。編集部が製品を使って試したレビューではなく、公表スペックと公的機関の注意情報をもとにした整理です。価格はセールや時期で大きく変わるため記載しません。仕様は2026年10月時点で各公式サイトに掲載されている内容です。
「そもそも何Wh必要か」の計算は「ポータブル電源は一人暮らしに何Wh必要?停電3日分の容量計算」で詳しく整理しています。この記事は、容量の目安が決まった人が「どのメーカーのどの機種にするか」を決めるためのページです。
まず容量クラスを決める(30秒でできる判定)
メーカーを比べる前に、どちらのクラスを買うかを決めると比較が一気に楽になります。目安は次のとおりです。
| 停電中に使いたい物 | 容量クラス | この記事で比べる機種 |
|---|---|---|
| スマホ、LEDライト、ラジオ、Wi-Fiルーター少し | 300Whクラス(200〜350Wh) | Jackery 240 New/BLUETTI EB3A/Dabbsson 300E |
| 上記+ノートPCで在宅勤務、電気毛布、小型扇風機 | 700Whクラス(500〜800Wh) | Jackery 500 New/BLUETTI AC70/Dabbsson 600L |
| 冷蔵庫、電子レンジ、電気ケトルも動かしたい | 1,000Wh以上 | 重さ10kg超が多く、一人暮らしの部屋では置き場所と持ち運びの負担が大きい(本記事では対象外) |
考え方は「使いたい機器の消費電力(W)×使う時間÷0.8」の合計より一回り大きい容量を選ぶ、です。スマホ1回の満充電を20Wh前後と見込むと、1日2回×3日で約120Wh。スマホ中心なら300Whクラスで3日分の計算が成り立ちます。ノートPCや電気毛布を数時間ずつ足していくと、すぐに500Whを超えます。
3ブランドの違いを先に押さえる
機種ごとの細かい数字の前に、3社の公式サイトに書かれている特徴の違いを整理します。
| Jackery | BLUETTI | Dabbsson | |
|---|---|---|---|
| 電池の種類(今回の機種) | リン酸鉄リチウムイオン | リン酸鉄リチウムイオン | 半固体電池(メーカー表記) |
| 保証(公式サイトの表記) | 公式サイト購入で3年+2年の自動延長=5年 | 機種により異なる(EB3Aは24か月、AC70・AC2Aは5年の表記) | 公式サイト購入で3年+2年延長=5年 |
| 公式サイトで目立つ打ち出し | 軽さ・コンパクトさ、長寿命バッテリー | AC出力の大きさ、アプリ操作、UPS機能 | 半固体電池の安全性、長寿命 |
| 使用済み製品の回収 | 回収サービスあり(公式の案内) | 公式で確認 | 無料回収サービスあり(公式の案内) |
保証は「どこで買ったか」で変わることがある点に注意してください。JackeryとDabbssonは、公式サイトでの購入を条件に5年保証と案内しています。量販店や通販モールで買う場合の保証期間は、販売ページで別途確認します。
300Whクラス比較: 240 New/EB3A/300E
スマホ・ライト中心の一人暮らしが候補にする容量帯です。3機種の公表値を並べます。
| Jackery 240 New | BLUETTI EB3A | Dabbsson 300E | |
|---|---|---|---|
| 容量 | 256Wh | 268.8Wh | 336Wh |
| 定格出力 | 300W | 600W(瞬間最大1,200W) | 300W |
| AC出力(コンセント) | 1口 | 2口 | あり(口数は公式で確認) |
| 重さ | 約3.6kg | 約4.6kg | 約4.3kg |
| サイズ | 約23.1×15.3×16.8cm | 約25.5×18×18.3cm | 公式で確認 |
| 電池・サイクル | リン酸鉄、約4,000回 | リン酸鉄、2,500回以上 | 半固体、最大4,000回 |
| 保証(公式表記) | 5年(公式購入) | 24か月 | 5年(公式購入) |
出典: Jackery 240 New 公式(重さ・サイズは発売時の家電Watchの製品発表記事)、BLUETTI EB3A 公式、Dabbsson 300E 公式。
この3機種の選び分け
- いちばん軽く、置き場所を選ばないのは Jackery 240 New。約3.6kgで、枕元近くやデスク下の小さなすき間に置きやすいサイズです。AC出力は1口なので、コンセントの機器を同時に2つ使う予定がなければ十分です
- コンセントの家電を少し使いたいなら BLUETTI EB3A。定格600WとAC2口で、3機種の中では出力に余裕があります。ただし保証は24か月と、他の2機種より短い表記です
- 同じクラスで容量を最大にしたいなら Dabbsson 300E。336Whで3機種中もっとも大きく、重さは約4.3kgです。半固体電池を採用している点を重視する人の候補になります
どれも「スマホ6回分+ライト+ラジオで3日」の計算には足ります。迷ったら、置きたい場所の幅と奥行きをメジャーで測り、入るサイズの中から保証の長いものを選ぶと失敗しにくくなります。
700Whクラス比較: 500 New/AC70/600L
ノートPCで在宅勤務を続けたい人、冬の停電で電気毛布を使いたい人が候補にする容量帯です。このクラスは重さの差が大きく、一人暮らしの部屋では重さが選び方の中心になります。
| Jackery 500 New | BLUETTI AC70 | Dabbsson 600L | |
|---|---|---|---|
| 容量 | 512Wh | 768Wh | 768Wh |
| 定格出力 | 500W | 1,000W | 600W(瞬間1,200W) |
| AC出力 | あり(口数は公式で確認) | 2口 | 2口 |
| 重さ | 約5.7kg | 約10.2kg | 約8kg |
| サイズ | A4より小さい薄型(メーカー表記) | 約31.4×20.95×25.58cm | 約18.85×32.65×21.55cm |
| 電池・サイクル | リン酸鉄、6,000回(70%維持) | リン酸鉄、3,000回 | 半固体、最大4,000回 |
| 保管温度(公式表記) | 公式で確認 | -20〜40℃ | -10〜45℃ |
| 保証(公式表記) | 5年(公式購入) | 5年 | 5年(公式購入) |
出典: Jackery 500 New 公式、BLUETTI AC70 公式、Dabbsson 600L 公式。
この3機種の選び分け
- 持ち上げる・移動させる前提なら Jackery 500 New。512Whで約5.7kgと、このクラスでは軽く、薄型で棚の下段やデスク下に収めやすい形です。容量は他の2機種より小さいので、電気毛布を毎晩長時間使う計算なら足りるか確認します
- 容量と出力の両方を最大にしたいなら BLUETTI AC70。768Wh・定格1,000Wで、3機種中もっとも出力に余裕があります。一方で約10.2kgあり、床に置いたまま動かさない前提の機種です
- 768Whを8kg台に抑えたいなら Dabbsson 600L。AC70と同じ768Whで約2kg軽く、幅18.85cmと横幅が細いので、ベッドとクローゼットのすき間のような細長い場所に置けるかを測って検討できます。定格出力は600Wなので、使いたい家電の消費電力が600Wを超えないか確認します
重さで考える: 一人で扱えるのは何kgまでか
ポータブル電源は、停電中に部屋の中で動かすことがあります。夜はベッドの横へ、昼はデスクへ、と持ち運ぶ場面を考えると、重さは容量と同じくらい大事です。
| 重さ | 扱い方の目安 | 該当する機種(今回の比較) |
|---|---|---|
| 3〜5kg | 片手で持ち手をつかんで部屋の中を移動できる重さ。枕元近くとデスクの行き来も現実的 | 240 New(約3.6kg)、300E(約4.3kg)、EB3A(約4.6kg) |
| 5〜6kg | 両手で持てば移動できる。普段はデスク下などに置いたまま | 500 New(約5.7kg) |
| 8〜10kg | 水2L×6本の1ケース(約12kg)に近い重さ。床に置いて動かさない前提 | 600L(約8kg)、AC70(約10.2kg) |
8kgを超える機種は、棚の上や高い場所には置かず、床に直接置いてください。地震で落下すると、本体の破損だけでなく、人に当たってけがをするおそれがあります。重い物を低い位置に置くことは、家具の転倒・落下対策の基本でもあります(東京消防庁「家具類の転倒・落下・移動防止対策」)。
賃貸ワンルームでの置き場所: サイズ別の具体例
どの機種を買うかは、置き場所が決まると自然に決まります。一人暮らしの部屋でよくある置き場所ごとに、入りやすいサイズと注意点を整理します。
| 置き場所 | 測る場所 | 向いている機種の目安 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ベッドとサイドテーブルの間 | すき間の幅と奥行き | 300Whクラス(幅15〜18cm前後の向き) | 暖房器具や布団で通気口をふさがない |
| デスクの下(足元の奥) | 足を伸ばしたときに当たらない奥行き | 500 New、600L(細長い形) | コードに足を引っかけない配線にする |
| クローゼット下段の床 | 扉を閉めた状態の奥行きと高さ | AC70など重い機種 | 閉め切った場所で充電しない。充電はクローゼットから出して行う |
| テレビ台の横 | テレビ台と壁の間 | 300Whクラス | テレビ台の上には置かない(落下) |
窓際、ベランダ、玄関は避けます。直射日光や夏の高温は保管温度の上限を超えるおそれがあり、ベランダは集合住宅では避難経路でもあります。部屋全体の配置は「一人暮らしの防災グッズ収納場所7選」で整理しています。
保管温度と充電のルール(3社共通の考え方)
ポータブル電源は、買って置いておくだけでは停電時に残量が減っていることがあります。各社の公式情報を見ると、保管と充電について次のような案内があります。
- BLUETTI: EB3A・AC70について、3〜6か月ごとに電池容量の80%程度まで充電する方法がFAQや仕様で案内されています
- Dabbsson: 600LのFAQで、100%充電して長期間置いた場合でも3か月後に80%以上の電気量を保てると案内されています。使わないときは電源をオフにします
- Jackery: 機種ごとの取扱説明書で保管時の充電方法を確認します
3社に共通する現実的なルールは、3か月に1回、残量を見て足りなければ充電することです。スマホのカレンダーに「3月・6月・9月・12月の1日」と通知を入れておくと忘れません。9月1日の防災の日と組み合わせるのもよい方法です。
また、製品評価技術基盤機構(NITE)は、ポータブル電源の事故やリコール製品に注意するよう呼びかけています(出典: NITE)。購入後は型番を控えておき、メーカーのリコール情報を確認できるようにしておきます。異常な発熱・膨らみ・異臭があれば使用をやめ、メーカーに相談してください。
一人暮らしの使い方別: どの機種が候補になるか
| こんな人 | 第一候補 | 次の候補 | 理由 |
|---|---|---|---|
| スマホと明かりだけ確保したい、部屋が狭い | Jackery 240 New | Dabbsson 300E | 軽く小さい。容量を増やしたいなら300E |
| 扇風機や小さな家電をコンセントで使いたい | BLUETTI EB3A | Jackery 240 New | 定格600W・AC2口で余裕がある |
| 在宅勤務のPCを1日数時間、3日続けたい | Jackery 500 New | Dabbsson 600L | 512Whで足りる計算なら軽い500 New、足りなければ768Whの600L |
| 冬の停電で電気毛布を毎晩使いたい | Dabbsson 600L | BLUETTI AC70 | 768Whの容量。動かさない置き場所があればAC70も |
| 出力の大きい家電も少し動かしたい | BLUETTI AC70 | — | 定格1,000W。ただし約10.2kgで、床置き前提 |
電子レンジや電気ケトル、ドライヤーのように熱を出す家電は消費電力が大きく、容量をすぐに使い切ります。停電中の加熱はカセットコンロに任せ、ポータブル電源は通信・明かり・小さな家電に使うと、小さい容量で済みます。
購入前のチェックリスト
- 停電中に使いたい機器の消費電力(W)と使う時間を書き出し、「合計÷0.8」より大きい容量か
- 使いたい家電の消費電力が、機種の定格出力を下回っているか
- 置き場所の幅・奥行き・高さを測り、本体サイズが収まるか(充電ケーブルを挿す余裕も含めて)
- 置き場所から持ち上げられる重さか
- 保証期間と、その条件(公式サイトでの購入が条件か)を確認したか
- 保管温度の範囲と、保管中の充電方法を取扱説明書で確認したか
- 処分するときの回収方法(メーカーの回収サービスの有無)を確認したか
公式サイトで仕様と保証を確認する
ここからは各ブランドの公式サイトへのリンクです。価格・セット内容・保証条件はキャンペーンや時期で変わるため、購入前に必ず公式ページで最新情報を確認してください。
Jackery(240 New/500 Newなど)
軽さとコンパクトさを重視するなら候補になるブランドです。公式サイトでの購入で3年+2年の自動延長保証が案内されています。
BLUETTI(EB3A/AC70など)
同じ容量帯で定格出力に余裕のある機種を探すなら候補になります。保証期間は機種によって表記が異なるため、選ぶ機種のページで確認します。
Dabbsson(300E/600Lなど)
半固体電池を採用したモデルをそろえるブランドです。公式サイトでの購入で5年保証と、無料回収サービスが案内されています。
ポータブル電源は在宅避難用です。持ち出し袋や通勤バッグには、別にモバイルバッテリーを入れておくと役割が分かれます。保管のルールは「モバイルバッテリーは防災用にどう保管する?」を参照してください。
よくある質問
- 3社で、防災用としての決定的な差はありますか
- 今回比べた機種はどれも、リン酸鉄系または半固体の電池で長寿命をうたっており、スマホ・ライト中心の3日分という用途ではどれも計算上は足ります。差が出るのは重さ、定格出力、保証の期間と条件、保管温度の範囲です。置き場所と使いたい家電から条件を決め、公式の仕様で絞り込むのが確実です。
- 300Whクラスと700Whクラス、迷ったらどちらを選べばいいですか
- 停電中にノートPCや電気毛布を使う予定がなければ300Whクラスで足ります。使う予定がある場合は、消費電力×時間÷0.8で計算し、300Whを超えるなら700Whクラスにします。重さが倍以上になるため、置き場所から持ち上げられるかも合わせて確認してください。
- ポータブル電源は賃貸の部屋に置いても大丈夫ですか
- 部屋の中に置くこと自体に賃貸ならではの制限は通常ありません。直射日光や暖房器具の近く、閉め切ったクローゼットの中での充電を避け、メーカーの保管温度の範囲内に置いてください。ベランダや共用廊下に置くのは避けます。
- 公式サイトと通販モールのどちらで買うのがいいですか
- 保証期間が購入先によって変わることがあります。JackeryとDabbssonは公式サイトでの購入を条件に5年保証を案内しています。通販モールで買う場合は、販売店とメーカー保証の条件を販売ページで確認してください。
- 使わなくなったポータブル電源はどう処分しますか
- リチウムイオン電池を内蔵しているため、一般のごみとしては出せないことが多いです。メーカーの回収サービス(JackeryとDabbssonは公式で案内)を確認し、ない場合はお住まいの自治体の案内に従ってください。
まとめ
一人暮らしの防災用ポータブル電源は、まず容量クラスを決めます。スマホ・ライト中心なら300Whクラス(Jackery 240 New/BLUETTI EB3A/Dabbsson 300E)、PCや電気毛布も使うなら700Whクラス(Jackery 500 New/BLUETTI AC70/Dabbsson 600L)です。同じクラスの中では、置き場所に収まるサイズか、持ち上げられる重さか、保証の期間と条件、保管温度で選び分けます。買ったあとは3か月に1回の残量確認を習慣にしてください。