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製造業の若手採用、
SNSで発信するネタ30個

「工場に見せるものなんてない」は、見せ方を知らないだけです。20代が見たいのは製品ではなく、働く場面と人です。

この記事の結論

  • 製造業の若手採用向けSNSで見せるべきは「製品」ではなく「働く場面・人・働き方」。20代の求職者は、応募前に会社名で検索し、雰囲気と人が分かる投稿があるかで判断している
  • ネタは6分類(現場・技術・人・働き方・会社・地域)で30個。それぞれに「撮るもの」「書く一言」「狙い」を付けたので、この表の順番に週1本出せば半年分になる
  • 顔出しは不要。手元・機械・道具・作業の音で伝わる。ただし図面・取引先名・未発表製品・安全装備なしの作業は写さない

厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況」では、製造業の新規高卒就職者の3年以内離職率は3割前後で推移しており、全産業平均より低い一方、「入る前に想像していた仕事と違った」というミスマッチは製造業でも主要な離職理由の1つです(出典: 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」)。応募前に「どんな場所で、誰と、どう働くか」が見えていれば、応募の数だけでなく定着も変わります。この記事は、そのための発信ネタを30個、そのまま使える形で並べたものです。製造業でSNSが効く理由そのものは建設業・製造業の採用にSNSが効く理由で整理しています。

20代の求職者は、工場の何を見ているか

製造業の採用担当が「見せたい」と思うのは、製品の精度や設備の新しさです。しかし、20代の求職者が投稿を見て確認しているのは、次の5点です。

見ている点投稿で確認していること対応するネタの分類
職場の清潔さ・明るさ床・作業台・休憩室の状態現場・働き方
人の雰囲気年齢層、話しているか、怒鳴られていないか
教えてもらえるか未経験でも、誰がどう教えるか技術・人
働き方始業・終業、休憩、残業、休日働き方
会社が動いているか投稿の日付が新しいか、変化があるか会社

製品の写真は、この5点のどれにも直接は答えません。製品は「技術」の分類で、加工の過程や手元とセットで見せると、初めて採用向けの投稿になります。

ネタ30個の一覧(6分類)

各ネタは「撮るもの」「書く一言の例」「狙い」の3点で書いています。写真1枚+200〜300字で1本です。番号は後述の「半年の順番」で使います。

A. 現場(1〜6)

#ネタ撮るもの書く一言の例狙い
1今日の現場作業中の手元「今日は○○の△△加工。この工程は1個3分です」いつもの仕事が見える
2朝礼・始業朝礼の後ろ姿、機械の電源を入れる手「8時に朝礼、8時10分には機械が動き始めます」1日の始まり方
3工場の床掃除後の床、5Sの表示「毎日終業前10分は全員で掃除」清潔さの証明
415秒の動画(機械の稼働音)「工場の音。慣れると落ち着くと言う人が多いです」環境の想像を助ける
5季節の工場夏のスポットクーラー、冬の暖房、扇風機「今年は大型ファンを2台増やしました」暑さ寒さへの対策
6工場全景入口からの1枚「入るとこんな景色です」面接前の不安を減らす

B. 技術(7〜12)

#ネタ撮るもの書く一言の例狙い
7加工前と後材料と完成品を並べて「左の塊が、右になります。所要時間40分」仕事の成果が分かる
8道具1つノギス・マイクロメータ・治具「0.01mmを測る道具。最初の1か月で使えるようになります」未経験でも覚えられる
9機械の紹介設備の全景と操作パネル「この機械は○年に導入。操作は画面で選ぶだけ」設備の新旧を正直に
10用語解説用語の対象物「バリとは、切った後に残るこのギザギザのこと」素人でも分かる
11検査検査台・検査中の手元「1個ずつ、この台で測ってから出荷します」丁寧さ・品質
12失敗と対策対策後の治具や表示「昔よく間違えた箇所。今は色分けして防いでいます」失敗が許される職場

C. 人(13〜18)

#ネタ撮るもの書く一言の例狙い
13教える場面先輩と後輩の手元(顔なし)「入社2か月目。今日から1人でこの工程」教育の実態
14年齢層作業中の複数人の後ろ姿「20代が3人、30代が2人、あとはベテラン」同年代がいるか
15昼休み休憩室・弁当・自販機「昼は45分。近くの弁当屋が人気」休憩の雰囲気
16入社何年目の1日1人の1日を時間で「3年目Aさんの1日。8:00朝礼 → 8:15段取り → …」将来像
17社長の作業社長が現場にいる手元「社長も月に数日は機械の前に立ちます」距離の近さ
18資格取得合格証・練習中の様子「今月、2人がフォークリフトの資格を取りました。費用は会社負担」成長支援の事実

D. 働き方(19〜24)

#ネタ撮るもの書く一言の例狙い
19終業17時台の退勤・片付け「17時に機械を止めて、17時15分にはほぼ全員帰ります」残業の実態
20休日カレンダー・工場の閉まった入口「土日祝は休み。今年の年間休日は○日」休日の事実
21服装・装備作業着・安全靴・保護具「作業着と安全靴は会社支給。夏用もあります」負担の少なさ
22通勤駐車場・最寄り駅からの道「車通勤OK、駐車場無料。駅からは徒歩12分」通勤のイメージ
23有給の使われ方カレンダーの空き「先月の有給取得は全員平均1.5日」休みやすさ
24暑さ寒さの対策空調服・冷水機・ストーブ「空調服は全員に支給。今年から冷水機も」環境改善の姿勢

E. 会社(25〜28)

#ネタ撮るもの書く一言の例狙い
25数字1つ数字に関わる現場「創業○年、月の出荷は約○個」安定感
26何を作っているか製品が使われる場面(公開情報の範囲で)「うちの部品は○○の中で使われています」仕事の意味
27最近変えたこと新しい設備・掲示・ルール「今月から昼休みを45分から60分にしました」会社が動いている
28お礼工場全景・集合の後ろ姿「今月もありがとうございました。来月は○○が入ります」月のまとめ

F. 地域(29〜30)

#ネタ撮るもの書く一言の例狙い
29地域との関わり工場見学・地元行事「地元の中学生が工場見学に来ました」地域の会社
30周辺近くの飲食店・コンビニ・公園「昼にみんなが行く店。徒歩3分」働く街のイメージ

週1本で半年回す順番

30個を番号順に出すと、最初の6週間が「現場」ばかりになります。分類を混ぜて、毎月「現場・技術・人・働き方」が1本ずつ入るように並べ替えます。

1週目2週目3週目4週目
1か月目6 工場全景8 道具1つ14 年齢層19 終業
2か月目1 今日の現場7 加工前と後13 教える場面20 休日
3か月目3 工場の床10 用語解説15 昼休み21 服装・装備
4か月目2 朝礼・始業9 機械の紹介16 入社何年目の1日22 通勤
5か月目4 音11 検査17 社長の作業25 数字1つ
6か月目5 季節の工場12 失敗と対策18 資格取得27 最近変えたこと

残りの23・24・26・28・29・30は、出来事があったときの差し替え用です。月末には28(お礼)を足すと月5本になり、「先月も動いていた」感が強まります。月初にまとめて4本作る手順は広報担当がいない中小企業が、週1本の発信を止めない方法で解説しています。

写してはいけないもの

製造業の発信で最も多い失敗は、続かないことではなく「写してはいけないものを写す」ことです。投稿前に次を確認します。

この確認を投稿ごとにするのは負担なので、「撮影OKの場所」を工場内で3か所決めておき、そこで撮った写真だけを使う運用にすると、確認がほぼ不要になります。

写真の撮り方: スマホで十分、明るさだけ気をつける

一眼レフも編集アプリも要りません。次の4点だけで、工場の写真は見られるものになります。

  1. 昼の時間帯に撮る: 工場は蛍光灯だけだと暗く写る。窓からの光がある時間か、機械の作業灯を点ける
  2. 手元は近く、全景は入口から: 中途半端な距離が最も伝わらない
  3. 横向きで撮る: Instagramは正方形、Xは横長で表示される。横向きなら両方に使える
  4. 加工しない: フィルターや文字入れは不要。実物のままが、求職者には信頼される

動画は15秒までで、音を消さないこと。機械の音・工具の音は、写真より工場の雰囲気を伝えます。ショート動画の媒体別の使い分けは媒体別ショート動画の使い分けを参照してください。

どの媒体に出すか

媒体製造業の若手採用での向き始め方
Instagram最も向く。20代の利用率が高く、写真中心会社アカウントを作り、プロフィールに「採用情報はこちら」のリンク
TikTok・YouTubeショート動画が撮れるなら。加工の様子は反応が出やすいネタ4・7・11の動画版から
X取引先・同業者にも届く。採用単独では弱いInstagramと同じ内容を転載
Googleビジネスプロフィール会社名検索で最初に出る。更新日が見えるInstagramと同じ写真を月2回投稿

1つに絞るならInstagramです。同じ投稿をGoogleビジネスプロフィールにも転載すると、会社名で検索したときに最新の写真が地図の横に出ます。

反応がなくても続ける理由

始めて1〜2か月は、いいねもフォロワーもほとんど付きません。それでも続ける理由は、このアカウントの読者が「フォロワー」ではなく「応募前に会社名で検索した求職者」だからです。その人は、いいねを押さずに投稿を10本さかのぼって見て、応募するかどうかを決めます。測るべき数字は、いいね数ではなく、求人票からの応募率と、面接で「SNSを見ました」と言われる回数です。

ネタを毎回考える負担や、下書きを書く時間が続かない原因になる場合は、キャラクターが投稿の主役になり、下書きを作るAI社員の仕組みも選択肢です。人は「撮る・確認する」だけに絞れます。

よくある質問

Q. 顔を出さないと、人の雰囲気は伝わらないのでは。

手元・後ろ姿・声・作業中の会話で十分伝わります。むしろ顔出しの投稿は「作られた感」が出やすく、求職者は手元の写真のほうを自然に受け取ります。顔を出す場合は、本人の書面同意を取り、退職時に削除する約束をしてください。

Q. 設備が古く、見せると逆効果になりませんか。

古い設備を隠すより、「この機械は○年製。まだ現役です」と正直に書くほうが信頼されます。求職者が嫌うのは古さではなく、入社後に知る「聞いていた話と違う」ことです。ネタ9(機械の紹介)は、新旧を正直に書く前提で使ってください。

Q. 社員が5人しかいません。ネタが持ちますか。

30個のうち、人数に依存するのは14(年齢層)だけです。残りは5人でも1人でも成立します。同じ人が何度も出ることは問題ではなく、「いつもの人が今日も働いている」ことが伝われば十分です。

Q. 取引先から「うちの部品を載せるな」と言われました。

それが普通です。製品・図面・型番・取引先名は最初から写さず、「加工の過程」「道具」「働く人の手元」だけで発信を組み立ててください。30個のネタのうち26(何を作っているか)以外は、取引先情報がなくても成立します。

Q. 求人票と同じ内容を投稿してもいいですか。

条件(給与・休日)は求人票に任せ、SNSには「場面」を出してください。ネタ20(休日)も、条件を列挙するのではなく「閉まった工場の入口」の写真に年間休日の数字を1つ添える形が、読まれます。

Q. 効果が出るまでどれくらいかかりますか。

投稿が20本程度たまり、会社名で検索したときにSNSが上位に出るようになる3〜4か月目以降に、面接で「見ました」と言われ始めることが多いです。ただし地域・職種・競合の状況で異なり、特定の成果を保証するものではありません。

本記事は発信ネタの一般的な整理であり、特定の成果を保証するものではありません。撮影時は安全基準の順守と、写り込む人・取引先・図面・製品情報の許可確認・秘密保持契約の確認を徹底してください。離職率等の統計は出典元の最新版をご確認ください。

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