光熱費

引っ越しの電気・ガス・ネットはまとめて手続きできる?無料の一括手続きサービスの仕組みと、頼む前に決めておく5つのこと

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要点

  • 引っ越しで連絡が必要なライフラインは電気・ガス・水道・インターネットの4つ。旧居の停止と新居の開始で、窓口は最大8か所になる
  • 「一括手続きサービス」は、これらの連絡を1回の申し込みでまとめて受け付ける窓口。利用者は無料で、運営側は契約先の電力会社・回線事業者などから手数料を受け取る仕組みが一般的
  • 無料で便利な反面、新居で契約する会社やプランを提案されるのが前提。今の会社をそのまま続けたい人は、その旨を最初に伝えるか、自分で連絡したほうが早い
  • 光回線は開通工事まで数週間かかることがある。新居で数日〜数週間ネットが使えない期間をどうつなぐかを先に決めておくと慌てない

引っ越しの準備では、荷造りや住所変更に気を取られて、電気・ガス・水道・インターネットの手続きが後回しになりがちです。ところが、ガスは開栓の立ち会いが必要で予約が埋まりやすく、光回線は工事日程の確保に時間がかかることがあります。「新居に着いたのにお湯が出ない」「Wi-Fiがつながらず仕事ができない」というトラブルの多くは、連絡の遅れが原因です。

こうした連絡をまとめて引き受ける「一括手続きサービス」があります。この記事では、生活費ラボ編集部が各サービスの公式サイトで公開されている情報をもとに、一括手続きサービスはなぜ無料なのか、何を頼めて何は自分でやる必要があるのか、頼む前に決めておくべきことを整理します。利用者の体験談ではなく、公開情報と手続きの一般的な流れにもとづく解説です。

引っ越しで必要なライフライン手続きの全体像

まず、引っ越しで必要になる連絡を一覧にします。旧居と新居の両方で手続きが発生するのがポイントです。

ライフライン旧居での手続き新居での手続き連絡の目安
電気使用停止(最終日の検針・精算)使用開始(同じ会社の継続、または新しい会社と契約)引っ越しの1〜2週間前
ガス(都市ガス・プロパン)閉栓(立ち会い不要のことが多い)開栓(原則立ち会いが必要)1〜2週間前。繁忙期はさらに早め
水道使用停止使用開始引っ越しの数日〜1週間前
インターネット解約または移転新規契約または移転先での開通光回線は1か月前が目安

電気とガスは2016年・2017年の小売全面自由化以降、地域の電力会社・ガス会社以外の事業者とも契約できるようになりました(資源エネルギー庁「電力の小売全面自由化」)。引っ越しは「今の会社を続けるか、新居で別の会社にするか」を決め直せるタイミングでもあります。水道は自治体(水道局)が供給するため、会社を選ぶことはできません。

一括手続きサービスとは何か

一括手続きサービスは、引っ越し日・新旧の住所・名義などを1回入力(または電話で伝える)すると、電気・ガス・水道・ネットの停止と開始の連絡をまとめて進めてくれる窓口です。たとえば「電気の手続きサポートセンター」は、公式サイトで電気・ガス・水道・インターネットの手続きに対応し、見積もり依頼から電力会社の切り替えまで費用がかからないと案内しています。Webフォームは24時間受け付け、電話は土日祝も対応とされています(2026年10月時点の公式サイト表示)。

なぜ利用者は無料なのか

一括手続きサービスの多くは、利用者が新しく契約した電力会社・ガス会社・回線事業者から紹介手数料を受け取ることで運営されています。つまり、サービス側には「新居で新しい会社と契約してもらう」動機があるということです。これは悪いことではありませんが、知ったうえで使うのと知らずに使うのとでは、提案の受け止め方が変わります。

  • 提案されたプランは、その窓口が扱っている会社の中での提案である
  • 今の会社を続けたい場合は、最初に「電気は今の会社のまま、住所変更だけしたい」と伝える
  • 提案を受けても、その場で決めずに料金表を自分で確認してから返事をしてよい

自分で連絡する場合との比較

比較項目一括手続きサービス自分で各社に連絡
手間1回の申し込みで済む最大8か所に連絡(Web手続きが多い)
費用無料(公式サイトの表示)無料
会社・プランの選択窓口が提案する。比較の手間が省ける一方、取扱外の会社は対象外自分で自由に選べる。比較は自分で行う
連絡漏れのリスク低い(チェックしてくれる)自分の管理次第
向いている人忙しい、初めての一人暮らし、どの会社にするか決めていない今の会社を続けたい、契約先が決まっている

連絡をまとめて1回で済ませたい場合

電気・ガス・水道・ネットの停止と開始を1回の申し込みで依頼できる無料の窓口です。新居で契約する会社の提案を受けることが前提なので、続けたい会社がある場合は最初に伝えてください。対応エリア・受付時間は公式サイトで確認できます。

頼む前に決めておく5つのこと

一括手続きサービスを使う場合も、自分で連絡する場合も、次の5点が決まっていると手続きが一度で終わります。逆に、ここが曖昧なまま申し込むと、提案をそのまま受け入れることになりやすく、後で「前の会社のほうが安かった」と気づく原因になります。

申し込み前のチェックリスト

  • 1. 引っ越し日と、新居での使用開始日(ガス開栓の立ち会い可能な日時も)
  • 2. 今の電気・ガス会社を続けるか、変えるか(続けるなら検針票のお客さま番号を手元に)
  • 3. 新居のガスの種類(都市ガスかプロパンガスか。物件資料や管理会社で確認)
  • 4. 新居のネット環境(光回線の設備があるか、マンション一括導入か、工事が必要か)
  • 5. 支払い方法(クレジットカード払いにしたいか。名義と同じカードが必要)

1と2: 日付と「続けるか変えるか」

電気は、スマートメーターが設置されていれば立ち会いなしで使用開始できることが一般的です。ガスは安全確認のため開栓に立ち会いが必要で、引っ越しシーズン(3〜4月)は希望日が埋まることがあります。日付が決まったら最初にガスの予約を押さえる、という順番が失敗しにくい方法です。

今の電力会社を新居でも続ける場合は、多くの会社で「引っ越し手続き」として住所変更だけで済みます。ただし、新居が別の電力エリア(例: 東京電力エリアから関西電力エリア)になる場合、その会社が新しいエリアで供給していないと続けられません。

3: 新居が都市ガスかプロパンガスか

都市ガス物件では、ガス会社を選べる地域があります。プロパンガス(LPガス)物件は、賃貸の場合、建物の所有者がガス会社と契約していることが多く、入居者だけで会社を変えるのは難しいのが実情です。プロパンガス物件は料金が割高になりやすいため、入居前に料金表を確認しておくと判断材料になります。プロパンガスの料金相場は「プロパンガスの平均価格|地域別の相場と比べ方」、賃貸での会社変更は「賃貸のプロパンガスは変更できる?交渉の手順」で整理しています。

4: 新居のネット環境

光回線は、物件の設備によって必要な手続きが大きく変わります。

  • 光コンセントがあり、前の入居者の回線設備が残っている: 工事不要で開通できることがある
  • マンションに光設備はあるが部屋まで来ていない: 室内工事が必要。管理会社の許可が要る場合がある
  • 建物に光設備がない: 引き込み工事が必要で、日程確保に時間がかかる
  • インターネット無料物件: 契約不要だが、速度や接続方式は選べない

開通までの日数の目安は「光回線の乗り換えは最短何日で開通?工事不要ケースも」にまとめています。

5: 支払い方法

電気・ガス・ネットはいずれも毎月の固定費です。引っ越しで契約し直すタイミングでクレジットカード払いに揃えておくと、支払い管理とポイントの両面で有利になることがあります。考え方は「電気代のクレカ払いはどれだけ得?ポイント二重取り術」を参照してください。

新居でネットが使えない期間をどうつなぐか

光回線の工事日が引っ越し日に間に合わないケースは珍しくありません。その間のつなぎ方は大きく3つです。

方法メリット注意点
スマホのテザリング追加契約が不要スマホのデータ容量を消費する。容量の少ないプランでは足りない
回線事業者の貸し出しWi-Fi開通まで無料で借りられる場合がある対象の回線・キャンペーンが限られる。返却期限がある
契約期間の縛りがないポケット型Wi-Fi届いたその日から使え、不要になったら解約できる月額がかかる。容量や返却条件を確認する

たとえば「縛りなしWiFi」は、公式サイトで契約期間の縛りがないこと、端末代0円、10GB・30GB・60GB・90GBの4つの容量プラン(通常月額2,178円〜4,818円、税込。キャンペーン期間中は5か月目まで値引きあり)、10時までの申し込みで当日発送と案内しています(2026年10月時点)。光回線の開通までの数週間だけ使う、という使い方を想定する場合は、解約時の端末返却方法と、月の途中で解約したときの料金の扱いを申し込み前に確認してください。

光回線の開通まで、すぐに使えるWi-Fiが必要なら

契約期間の縛りがないポケット型Wi-Fiです。容量は4プランから選べます。開通までのつなぎに使う場合は、端末の返却方法と解約月の料金の扱いを公式サイトで確認してから申し込んでください。

新居で光回線を新しく引くなら「縛り」の有無も確認

次の引っ越しが2年以内にありそうなら、契約期間の縛りがない光回線を選ぶと、解約時の違約金を気にせずに済みます。たとえばGMOとくとくBB光は、2024年10月の公式発表で、契約期間の縛りがなく解約金がかからないこと、工事費は36回分割で同額が毎月割り引かれ、36か月使えば実質0円になることを案内しています。一方で、36か月以内に解約すると工事費の残りが一括請求されるため、「違約金なし」と「解約時の費用ゼロ」は同じではありません。また別途、契約事務手数料3,300円(税込)がかかります。損益の考え方は「光回線の縛りなしプラン|賃貸・短期居住の損益分岐」で詳しく解説しています。

次の引っ越しも見据えて光回線を選ぶなら

契約期間の縛りがない光回線です。工事費は36回分割と同額の割引で実質無料になる仕組みのため、36か月以内に解約した場合は残りの工事費がかかります。最新の月額料金と提供エリアは公式サイトで確認してください。

手続きの順番とスケジュール

引っ越し日から逆算した、ライフライン手続きの標準的な順番です。一括手続きサービスを使う場合も、この順番で必要な情報を揃えておくとスムーズです。

  1. 1か月前: 新居のネット環境を確認し、光回線の申し込み(工事日程の確保)。今のネット回線の解約・移転の条件(違約金・撤去工事)を確認
  2. 2〜3週間前: 電気・ガス会社を続けるか変えるかを決める。一括手続きサービスを使うならこの時点で申し込む
  3. 1〜2週間前: 旧居の電気・ガス・水道の停止日、新居の開始日を連絡。ガス開栓の立ち会い日を予約
  4. 引っ越し当日: 新居のブレーカーを上げる(スマートメーターの場合は不要なことも)。水道の元栓を開ける
  5. 引っ越し後: ガス開栓の立ち会い。光回線の開通工事。最初の請求で名義・住所・支払い方法を確認

見落としやすい「賃貸の火災保険」の切り替え

賃貸から賃貸へ引っ越す場合、旧居で入っていた火災保険(家財保険)の扱いも忘れがちです。多くの場合、旧居の保険は解約し、新居で新たに加入します。新居の不動産会社から保険を案内されることが多いですが、契約で保険会社が指定されていなければ、借家人賠償責任などの必要な補償を満たしたうえで自分で選べる場合があります。旧居の保険を解約すると、契約内容によっては未経過分の保険料が戻ることがあるので、保険会社に確認してください。

賃貸の火災保険の選び方と断り方は「賃貸の火災保険は自分で選べる|更新時の断り方と節約額」で詳しく解説しています。

新居の火災保険を比べてから決めたい場合

同じ補償条件で複数社の保険料を並べて比べられる、火災保険の無料診断です。不動産会社に案内された保険が割高かどうかを判断する材料になります。

一括手続きサービスが向いている人・向いていない人

向いている人向いていない人
引っ越しまで時間がなく、連絡先を調べる余裕がない今の電気・ガス・ネット会社を新居でもそのまま続けたい
初めての一人暮らしで、どこに何を連絡すべきか分からない契約したい会社・プランがすでに決まっている
新居で電気・ガス会社を選び直したいが、比較する時間がない電話での提案を受けたくない(Webで完結させたい)

「向いていない人」に当てはまる場合でも、一括手続きサービスが悪いわけではありません。自分で各社のWebページから手続きしたほうが、目的に対して早く確実だというだけです。

よくある疑問

一括手続きサービスは本当に無料ですか

電気の手続きサポートセンターの公式サイトでは、見積もり依頼から電力会社の切り替えまで費用はかからないと案内されています。運営は契約先の事業者からの手数料で成り立つ仕組みが一般的です。新しく契約する電気・ガス・ネットの料金や工事費は、それぞれの契約先に支払います。

今の電力会社のまま住所変更だけ頼めますか

窓口によって対応範囲が異なります。今の会社を続けたい場合は、最初にその旨を伝え、対応できるか確認してください。電力会社のWebサイトから自分で引っ越し手続きをしたほうが早い場合もあります。

ガスの開栓は代行してもらえますか

開栓の申し込みは依頼できても、開栓作業そのものはガス会社の作業員が行い、原則として契約者または代理人の立ち会いが必要です。立ち会いできる日時を決めてから申し込んでください。

光回線の工事が引っ越し日に間に合わない場合はどうすればいいですか

スマホのテザリング、回線事業者の貸し出しWi-Fi、契約期間の縛りがないポケット型Wi-Fiなどでつなぐ方法があります。期間と必要な容量から、どれが安く済むかを比べてください。

水道も一括手続きサービスで変えられますか

水道は自治体の水道局が供給するため、会社を選ぶことはできません。一括手続きサービスで扱うのは停止・開始の連絡の代行です。

まとめと関連記事

引っ越しのライフライン手続きは、電気・ガス・水道・ネットの停止と開始で最大8か所の連絡が必要です。一括手続きサービスは無料でまとめて任せられる便利な窓口ですが、新居で契約する会社の提案を受けることが前提です。今の会社を続けたいか、ガスの種類、ネットの設備、支払い方法の5点を先に決めておけば、提案に流されず、手続きも1回で終わります。光回線の開通が遅れる場合のつなぎと、賃貸の火災保険の切り替えもあわせて確認しておきましょう。

本記事は2026年10月時点の各社公式サイト・公式発表にもとづく編集部の整理です。料金・キャンペーン・対応範囲は変更されることがあります。最新の条件は必ず公式サイトでご確認ください。