この記事の結論
- 採用動画の制作費は「撮影日数」「出演者と撮影場所の数」「編集の手間(テロップ・BGM・グラフィック)」「企画・台本」でほぼ決まります。10万円以内に収めるには、この4つのうち何を削るかを発注前に自社で決めておく必要があります
- 残すべきは「伝えたい1つのメッセージ」と「社員の生の声」、削ってよいのはドローン空撮・凝ったグラフィック・複数拠点のロケ・長尺です。台本の素案・撮影場所の手配・出演者の調整を社内で引き受けると、外注する作業そのものが減ります
- 10万円を「1本の動画」に使うか、「短尺動画を続けるための仕組み」に使うかで成果の出方は変わります。応募前の候補者が何度も目にする場所に出し続けたいなら、後者も検討に入れてください
「採用動画 外注 10万円」「採用動画 低予算 依頼」と検索している方は、すでに動画を作ること自体は決めていて、予算の上限も社内で決まっている段階だと思います。問題は、10万円という金額で「どこまでのものが頼めるのか」、そして「何を諦めれば予算に収まるのか」です。制作会社のサイトには数十万円〜数百万円の事例が並び、フリーランスのサービスには数万円のプランもあり、比較の基準が見えにくい状態になりがちです。
この記事では、特定の制作会社の価格を紹介するのではなく、採用動画の費用がどこで決まるのかを分解し、10万円以内に収めるための「削る順番」と「残す順番」、発注前に作っておくべき仕様書を整理します。採用動画の会社選び全般や、予算に余裕がある場合の相場感は採用動画の制作を依頼する会社の選び方で、新卒向けに何を撮るべきかは新卒採用動画、中小企業は何を撮ればいいかで詳しく扱っているため、本記事は「予算上限が決まっている場合の仕様の決め方」に絞ります。
採用動画の費用は4つの要素で決まる
動画制作の見積もりは、細かく見ると項目が多く見えますが、金額を大きく動かす要素は次の4つです。
| 要素 | 金額が上がる条件 | 金額が下がる条件 |
|---|---|---|
| 撮影日数・人員 | 撮影が2日以上、カメラマン・音声・照明など複数人体制 | 半日〜1日、カメラマン1人体制、または撮影なし(自社素材で編集のみ) |
| 出演者・撮影場所の数 | 社員5人以上のインタビュー、複数の拠点や現場への移動 | 出演者1〜2人、撮影場所は1か所 |
| 編集の手間 | モーショングラフィック、凝ったテロップ、ナレーション収録、複数バージョン | カット編集+シンプルなテロップ+フリー素材のBGM |
| 企画・台本 | 制作会社が企画からヒアリング・構成・台本まで担当 | 自社で伝えたいことと構成の素案を用意し、制作側は調整のみ |
10万円以内に収めたい場合、この4つすべてを「金額が下がる条件」に寄せる必要があります。逆に言えば、どれか一つでも「上がる条件」を残すなら、他の要素をさらに削る必要がある、ということです。見積もりが予算を超えたときに「全体を少しずつ削る」と、どの要素も中途半端になり、伝わらない動画になりがちです。削るときは要素ごとに「残す・削る」をはっきり決める方が、仕上がりが安定します。
残す順番 — 予算が少なくても削らないもの
予算が限られているときほど、「何のために作るのか」が仕上がりを左右します。次の3つは、10万円以内でも残すことをおすすめします。
- 伝えたいメッセージを1つに絞ること:「職場の雰囲気」「仕事の中身」「入社後の育て方」など、1本の動画で伝えることは1つに絞ります。メッセージを複数入れようとすると、撮影カットも編集も増え、予算内に収まりません。
- 社員の生の声:求職者が採用動画で確かめたいのは、実際に働いている人の言葉や表情です。台本を読み上げるより、短くても本人の言葉で話してもらう方が伝わります。出演者は1〜2人で十分です。
- 音声の聞き取りやすさ:映像の画質より、声が聞き取れるかどうかの方が視聴の離脱に直結します。ピンマイクなど音声の収録は削らない方が安全です。字幕(テロップ)を入れておくと、音を出さずに見る人にも伝わります。
削る順番 — 予算を超えたら上から削る
見積もりが予算を超えた場合、次の順番で削っていくと、伝わりやすさへの影響を小さく抑えられます。
| 削る順 | 削る要素 | 削った場合の代わり |
|---|---|---|
| 1 | ドローン空撮・特殊機材 | 建物の外観はスマートフォンや既存写真で代用する |
| 2 | モーショングラフィック・凝ったアニメーション | シンプルなテロップと会社ロゴのみ |
| 3 | ナレーション収録 | 社員本人の声とテロップで構成する |
| 4 | 複数拠点・複数現場のロケ | 撮影場所を1か所に絞り、他の拠点は写真で補う |
| 5 | 長尺(3分以上) | 60〜90秒の本編+SNS用の短い切り出しにする |
| 6 | 複数バージョン(新卒用・中途用など) | まず1本を作り、反応を見てから2本目を検討する |
ここまで削っても予算に収まらない場合は、「撮影は自社で行い、編集だけを外注する」という分け方もあります。最近のスマートフォンは採用動画に使える画質で撮影できるため、撮影のコツを押さえれば、編集だけの依頼でも十分な仕上がりを目指せます。撮影の基本は新卒採用動画の撮影内容とNG例にまとめています。
社内で引き受けると外注費が下がる準備
制作費の多くは、制作会社やフリーランスの「作業時間」です。社内で用意できるものを先に用意しておくと、外注する作業時間が減り、同じ予算でも仕上がりに回せる余力が増えます。
| 社内で用意するもの | 具体的な内容 | 減らせる外注作業 |
|---|---|---|
| 伝えたいことのメモ | 求職者に一番知ってほしいこと、よく聞かれる質問、入社後に驚かれること | ヒアリング・企画の時間 |
| 構成の素案 | 冒頭・本編・締めで何を見せるかを箇条書きで | 構成・台本作成 |
| 出演者と質問 | 出演者を決め、インタビューの質問を事前に共有して考えておいてもらう | 撮影当日の撮り直し |
| 撮影場所と許可 | 撮影場所の確保、映り込む人や取引先情報の確認、安全上のルール | 当日の調整・移動 |
| 既存素材 | 会社ロゴ、過去の写真、現場写真、会社案内 | 素材の撮影・作成 |
撮影場所での安全や許可のルール(映してはいけないもの、ヘルメットなど保護具の着用など)は、外注先ではなく自社が決めることです。建設業・製造業の現場で撮影する場合の注意点は建設業・製造業の発信の作り方で整理しています。
見積もり依頼に使える仕様書テンプレート
10万円以内のように予算の上限がある場合は、見積もりを依頼する時点で仕様を固めておくと、各社の回答を同じ条件で比較できます。次の項目を埋めて、2〜3社に同じ内容で送ってください。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 目的 | 中途採用の応募前に、仕事の1日の流れを伝えたい |
| 主な視聴者 | 20〜30代の中途の求職者 |
| 公開先 | 採用ページ、求人媒体の動画欄、Instagram |
| 完成尺と本数 | 本編60〜90秒×1本、SNS用の15秒切り出し×2本 |
| 撮影 | 1日以内、撮影場所1か所、出演者2人 |
| 編集 | カット編集、テロップ(字幕)、フリー素材BGM。ナレーション・アニメーションなし |
| 社内で用意するもの | 構成の素案、質問リスト、ロゴ、既存写真 |
| 修正回数 | 2回まで(初稿・再稿) |
| 納品形式 | MP4(横16:9と縦9:16)、素材データの扱い |
| 権利 | 完成動画の二次利用(SNS・説明会・展示会)、出演者の肖像の扱い |
| 予算上限 | 税込10万円以内 |
| 希望納期 | ◯月◯日公開 |
予算上限を最初に伝えることを避ける方もいますが、上限があるならはっきり伝える方が、各社から「その予算ならここまでできる」という具体的な提案を受けやすくなります。予算を伝えずに見積もりを取ると、予算を大きく超える提案が返ってきて、仕様を削る交渉に時間を取られがちです。
見積書を受け取ったら確認する5点
- 税込か税抜か:10万円の上限が税込か税抜かで、実質の予算は1万円違います。
- 交通費・機材費などの別料金:撮影場所が遠い場合の交通費、機材のレンタル費が別になっていないか。
- 修正の回数と範囲:回数を超えた修正や、撮り直しが必要になった場合の費用。
- BGM・素材のライセンス:使用するBGMや素材が、SNSや説明会での上映など、想定する公開先で使える条件か。
- 動画の二次利用と編集データ:完成した動画を別の用途に使えるか、後から短く切り出したいときに編集データを受け取れるか。
特に5は、後から「SNS用に短くしたい」「テロップを変えたい」と思ったときに効いてきます。編集データを受け取れない契約だと、小さな修正のたびに外注先へ依頼することになり、結果的に費用がかさみます。
10万円を「1本」に使うか「続ける仕組み」に使うか
採用動画は、作って公開したら終わりではなく、求職者の目に触れる回数が成果を左右します。採用ページに1本の動画を置くだけでは、そもそも採用ページを訪れない人には届きません。最近の求職者はSNSのショート動画で会社を知ることも多く、どの媒体で誰に見られるかの違いはTikTok・Instagram・YouTube Shortsの使い分けで整理しています。
| 使い方 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 10万円で1本をしっかり作る | 採用ページや説明会で長く使う「会社紹介の顔」が必要 | 公開後に見てもらう導線を別に用意する必要がある |
| 短尺動画を毎週出し続ける | 若手の目に何度も触れて、会社を覚えてもらいたい | 続ける体制(ネタ出し・撮影・確認)がないと数本で止まる |
| 1本を作り、切り出して短尺でも使う | 両方の良いところを取りたい | 撮影時に縦向きのカットも撮っておく必要がある |
どれが正解かは、採用の目的と社内の体制によって変わります。ただ、「1本作ったけれど誰にも見られていない」という状態は、低予算の採用動画で起こりやすい失敗です。予算を使う前に、完成した動画をどこで、誰に、何回見てもらうのかを決めておいてください。
短尺動画を続ける選択肢としてのAI社員
「1本の採用動画より、短い発信を止めずに続けたい」という場合の選択肢として、AI社員があります。AIキャラクターが投稿の下書きを作り、担当者は確認・承認するだけで発信を続ける仕組みです。スタンダードプラン(月額50,000円・税抜)では静止画と短尺動画(9:16・最大15秒)を毎日1本、Instagram・TikTok・X・YouTube Shortsに向けて作成します。初期費用は2026年10月末までのキャンペーン中は25万円(通常30万円・税抜)で、ライトプラン(月額8,000円・税抜)は静止画中心の週3本です。
10万円の予算で採用動画を1本外注するのと、短尺の発信を続ける仕組みを入れるのとでは、費用のかかり方も、得られるものも違います。どちらが自社に合うかは、採用の時期・求める人物像・社内の体制によって変わるため、無料個別相談で現状をお聞きしたうえで、外注で1本作る方が合う場合はそのようにお伝えします。動画の外注先選びを比較したい方は、採用動画の制作を依頼する会社の選び方もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 10万円以内で、撮影から編集まで頼めますか。
撮影1日以内・撮影場所1か所・出演者1〜2人・シンプルな編集という条件に絞れば、依頼先によっては可能な場合があります。企画から任せる場合や、ナレーション・アニメーションを入れる場合は、予算を超えることが多くなります。同じ仕様書で複数社に見積もりを依頼して比較してください。
Q. 制作会社とフリーランス、どちらに頼むべきですか。
仕様が固まっていて、社内で企画や調整を引き受けられるならフリーランスでも進めやすく、企画から相談したい・複数人体制で撮影したいなら制作会社が向いています。どちらの場合も、修正回数・権利・別料金の条件を事前に確認することが大切です。
Q. スマートフォンで撮影して編集だけ外注しても大丈夫ですか。
採用動画で重要なのは画質より、伝えたいことがはっきりしていることと、声が聞き取れることです。明るい場所で撮る、スマートフォンを固定する、外付けマイクを使うといった基本を押さえれば、編集だけの外注でも十分に使える動画を目指せます。
Q. 出演する社員の同意はどう取ればよいですか。
撮影前に、動画をどこで(採用ページ・SNS・説明会など)、どれくらいの期間公開するかを説明し、書面で同意を得ておくと安心です。退職した場合の扱い(動画の公開を続けるか、差し替えるか)も、あらかじめ決めておくとトラブルを防げます。
Q. 完成後に費用がかかることはありますか。
契約範囲を超える修正、別バージョンの作成、BGMのライセンスの更新などで追加費用がかかる場合があります。編集データを受け取れるかどうかでも、後からの修正費用が変わります。見積もりの段階で確認しておいてください。
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